アベノミクス
アメーともヤベーとも言えるよう
名人上手は布石をし
今年の流行語大賞は、余程のことがない限り「アベノミクス」で決まりではないでしょうか。間違っても「無慈悲な」や「パンデミック」が大賞になるなんてことは無いようにと願っています。
「アベノミクス」の影響で、株価は上がるわ、円は下がるわ。このあたりで儲けた人達が結構な買い物をして、高級品といわれるものが売れているということです。結構なことです。庶民派を称するないしはこの呼称で稼いでいる方々は、高級品が買える金持ちだけが潤っていて、庶民は値上げの影響だけを受けていると仰っています。少しばかり前、アベさんが二度目の総理大臣に就任した直後に四千円のカレーライスを食べたなどとこの手の方が批判をされました。金持ちというのは、金を使うために金を持っているのだから、金を使うことを禁じられたり非難されたりしたら、立場がありません。まさに高級品などに縁もない私のごとき貧乏人の立場から考えても、金持ちが金を使わないでため込んでしまったら、お余りが少しでも回ってくる機会が無くなってしまいます。GDP世界第2位の大国首脳のように、蓄財を1位の国に運び込んで不時に備え、人民どもにお余りの欠片すら回さないのはいけません。これは最低の金持ちというべきです。人民の敵です。あの国は人民の敵を打ち倒したはずです。大日本帝国を担ぎ出して、身代わりに仕立てて繕っています。
貧乏人は金を使わないように心掛けることが必要ですが、金持ちは使うことを心掛けなくてはいけません。これが世のため人のため、お互いの本分というものです。庶民派を掲げて物事を仰っている人の多くは、それによってお金を稼いで金持ちになり、貧乏人の振りをしていてお金が使えず、ため込んでしまっているんじゃあないでしょうか。こういう人たちが、天下の廻り物を隠匿して人々を困らせているのだと邪推します。恥ずかしがったり遠慮したりしないで、高級時計を身につけ、一貫一万円の握りずしを食べてください。
ところで、この頃は「アベノミクス」という言葉は肯定的な響きを持って使われていることが多いようですが、初めは違ったんじゃぁありませんか。あれは「レーガノミクス」の駄洒落で使いだしたんでしょう? そもそも、「レーガノミクス」は双子の赤字と呼ばれる欠陥を露呈して、歴史的に否定的用語だったと私は認識しております。ですから「アベノミクス」もあれと一緒で失敗に終わると予測した人が、からかい半分に使いだしたのではないのですか。それがなぜか調子が出てきて肯定的単語に様変わりしつつあります。
「アベノミクス」は田中さんとかいわれる経済学者の主張を取り入れたもののようですが、どうも、そもそも経済学というのは怪しげな学問の一つのようです。周りはこれを察してか、景気の気の字は気分の気の字だから、気分が高揚すれば好くなるんだなどとも言っています。なんでもそうでしょう。人間てぇのは気分ですよ。とくに金は。思わぬ１万円が入ってくれば、今晩は何か食いに行こうかなどとなりますが、母さんが夜なべして稼いだ１万円ならそっと懐にしまいこむでしょう。無駄にはしたくありません。でも何か好いこと、めでたいことがあれば懐から出します。気分です。間違いありません。そんな訳で「アベノミクス」もやってみなくては判らないというのが本当のところのようです。当然ながら、巧くいくはずがない、収拾がつかなくなって日本は沈没すると異議を申し立てる人たちがいます。やってみなくては判らないことに異論があるのは当たり前です。ただし、この方々からは何かやるべき他の手段の提案らしきものがみられません。ただ反対するのは私にもできるくらい簡単なことです。それを経済学者様がおやりになるのは具合が悪いことです。他の手段の提案がなく、今のままがいいという主張ならそれは一つの見解です。よくわかりませんが、経済学というものはいい加減な学問のようです。そういえば、エンゲルスなどと云う方もエライ経済学の一派だったでしょう。あの理論は破綻したのですか。私は中身をよく知りませんから、判定のしようがありません。
経済学はあてにならない学問だと思うことにします。それに引き換えて、自然科学はあてになるなぁと思った矢先、怪しげなやつを見つけました。地震学です。あれは自然科学の一つです。これが経済学と実に似ているように思えるのです。地震は揺れてみないと判らないのでしょう。予測などというのは出来ないそうで。でもその予測で生活している学者様もいるようです。まさか予測の手段は筮竹ではないでしょうね。そりゃあ予測などというのは難しいことだとは思います。ただ最近のお話で、この地震学が素人目にも怪しいなと思わせることが起きています。一つは学者先生が寄ってたかって、活断層だと判定したのが、昔の建造物の基礎かなんかだったというじゃありませんか。人工構築物と自然現象との区別もつかないとは情けない。専門家を名乗るのはお控えになった方がといいと思います。土建屋さんは一目見て神様のものではなく俺のものだと見抜いたそうじゃありませんか。神様が創ったか人間が造ったかが判る人と判らない人がいたら、後者はそのことに関して素人呼ばわりされても仕方がないでしょう。他にも怪しげな気がすることがあります。東日本大震災を機に予想津波高さが突然高くなりました。高く言っておけば、どんな高さが来ても間違いないから、想定の何倍掛けかをして決めたのじゃあないでしょうか。それが故に対策費が高くなるのは、経済学の分野ですから、彼らの知ったことじゃあありません。保身臭がします。どんなものでしょうか。加えてわからないことがあります。東南海地震が起きる確率が７０％くらいだったのが、８０％程に上がりました。いったい、地震の起きる確率というのは何ですか。分母は何ですか。分子は何ですか。それに、確率が数％上がったということは何ですか。どういう意味合いがあるのですか。まさか地震保険の保険料を値上げするための数値ではないでしょうね。地震というものは起こる確率が数％上がると大変なことですか。１％のものが１０％に上がれば大変だと思いますが、７０％が８０％になったからと言って、それがどうしたクソダワケです。降水確率が７０％でも８０％でも、傘を持って外出します。宝くじがそうなら、絶対に買います。どうも地震の場合はどうすればよろしいのでしょうか。インチキくさいように思えます。
経済学の方に話を戻します。
「アベノミクス」は必ずしも成功するとは限らないようです。しかし現状に問題があるなら、やれることをやるのが政治です。私は他にいい案がないならばやるべしと思います。
ただし、私自身にとっては「アベノミクス」は困ります。現状維持がいいのです。デフレ経済がいいのです。ネンキンマンは皆そうではありませんか。ネンキンマンは世の中がどのように景気がよくなろうと、一向にわが身には恩恵がもたらせられません。埒外です。ゴールデンウィークで人々が浮かれ遊んでいる間は、蟄居閉塞して、ひたすら宴の終わりを待っているのです。人々が浮かれた後に、恐るおそる顔を世に出します。そうすれば何処へいっても、何か買っても安く上がります。典型的なのはゴルフです。ウィークデイは格安料金です。おまけにネンキンマンには遊興税？がかかりません。至れり尽くせりです。
そういう背景の中で、年々円の価値が上がってきたのです。働いている人の多くは、賃金が下がったようです。ネンキンマンは、少し支給額は下がったかと思いますが、あまり自覚がない程度です。相対的可処分所得は上がってきました。ウシッシです。
今のままでは年金制度が崩壊するとも言われています。幸か不幸か、後期高齢者に首を突っ込みつつある輩にはそれに至る時間は無いでしょう。年金制度より己の方が先に崩壊します。自分さえ好ければの立場からいえば、制度崩壊の埒外にいます。
というわけでもう一度、アベノミクスは私には好いことはありません。現状維持がいいのです。
自分に都合が悪いのに何故、あらゆる中傷と誹謗の中を断固戦うと言わず、やるべしと言うのかです。日本の未来のために。そんな大きな話ではなく、孫子のためといわれると弱いのです。彼らが世界の中で、まぁましな生活ができるようにできるなら、自分への多少のしわ寄せは我慢します。
RICH LISTというのがあります。自分の収入の世界ランキング順位がわかります。驚くほど上位です。私がというより、これを読んでいるあなたもです。あなたの方が私より上位でしょ。これで少しぐらいのしわ寄せがきて、生活に支障が出るようなら、あなたは一度反省し、生活を改めるべきです。ゴメンナサイ。反省します。人を説教するような身分、立場ではありません。
もしかしたら、国を挙げての××詐欺にはめられて、少ない蓄えを吐き出させようとしているのかもしれません。子や孫をネタにして話を組み立て、高齢者から金品を巻き上げる。典型的オレオレ詐欺です。我々はそういった人たちの標的となりやすい年頃です。気をつけなくてはいけないと思います。
小噺をひとつ
うんノミクス
ジョンウン様がトップを集めて、相談をしていた。
恩「わが国は先軍政治を掲げ、国運の発展を目指してきた」
Ｔ「まことにその通りでございます」
恩「ところが、先軍政治とはほど遠い日本が、アベノミクスとか、たった3本の矢で経済発展を企てておる」
Ｔ「まことにその通りでございます」
恩「あまり時間もかけずに、円安、株高で賑わっているようだ」
Ｔ「まことにその通りでございます」
恩「彼らは矢のごとき近代戦には無力と思われる武器を用いておる」
Ｔ「まことにその通りでございます」
恩「わが国にはノドン、ムスタング、テポドンなど矢などより余程ましな武器があるではないか」
Ｔ「まことにその通りでございます」
恩「矢にミサイルが勝てないのか。経済はどうなっておる。全くもって具合が悪かろう」
Ｔ「お言葉ですが」
恩「ん？何だ。申してみろ」
Ｔ「ウォン安は、恐れ多くも首領さまの時代からずーと続いております」
恩「株は？」
Ｔ「そして、我々の株は着実に上がっております」
恩「そうか！？」
Ｔ「ハイ、持っている銘柄はトヨタ他優良企業のものばかりでございます」
（２０１３．5）
