はじめに

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2015年7月6日月曜日


病気自慢
生きとるぞ世のさざ波を乗り越えて
これがおいらのブヂ自慢

 私たちのような高齢者の集まりでは、何かにつけて健康状態が話題になります。とりわけご指名で何がしかのお話しをすることになった時に、自分が今どういった病気を持ち、どのように対処しているかを語る方が多いようです。致し方が無いことです。政治経済芸能スポーツのほとんどの社会現象とは疎遠になっています。後期高齢者ともなれば、世間に通用する共通の話題は限られてしまいます。聞く方にしても、病気に関して経験豊富で対処法に精通している方の話は聞いておくべきでしょう。この場合病気を多く又は長く患っていて、なお且つ、そう言った集会に出てくるだけの体力をもっている人が主役となります。それを揶揄して「病気自慢」などと言ったりします。
集会ではありませんが、私も参加させていただいているML上で、五体の状況についての話題が提起されました。提起した方はそれぞれ各自がどの程度クタバッて、乃至はクタバリかかっているかを知りたいようでした。何人かの人がこれに答えました。中には督促されての参加もありました。私はこれへの参加を控えました。そっぽを向いたりした訳ではありません。項目が多くて答えを書くのが大変なので、事前準備として紙に印刷をし、そこに上書きする形で書き出しました。ところが、どうもいけません。起案者の趣旨に反して、各項目に対する回答がどうも浮いたものになってしまいます。少し考えてみました。設問が、老化に伴う不調について記し、自らの対処法を記せという感じです。結論を言います。私にはほとんど該当事項が無いのです。無いということは、健康優良児ならぬ健康優良爺なのです。設問に真面目に答えると、趣旨に反して健康自慢になってしまいます。それで参加を見合わせた次第です。しかしながら、自慢話になるなら、してみたくなるものです。MLは時間切れ、賞味期限切れなので、こちらで間に合わせようという次第です。

運動をしているか。
継続している運動は、ゴルフの打ちっぱなしだけです。おおよそ1時間、週休二日程度で実施しています。週二日ではなく、週休二日です。
定期的ではありませんが、猫の額の畑仕事、自転車で買い物などに行きます。体を動かすという点では、お給料を頂いて働いていた時より多くなっています。当時は運動不足であったという歴史認識です。多分その所為と思いますが、ピーク時に比べて現状では体重が10Kgほど軽くなりました。食事の量が減ってはいますが、意識的な減量などということはやっていません。

 バランス感覚
パンツ、ステテコは立ったままで穿けます。靴下は右足装着時揺れて不具合を生ずることがあります。この場合には、頑張らずやり直すか、何かに座って穿くことにします。こけて捻挫なんぞは御免です。危機管理という意味でのバランス感覚も持ち合わせています。

 体力はどうか。
時折、通りがかりに近所の松葉公園で鉄棒にぶら下がったりします。結構長くぶら下がったままでおれます。残念なのは、力を込めても、体を上に引き上げることは叶いません。坂上がりなどは論外です。
散歩は好きでないのでやりません。走るなんぞはとんでもないことです。昔から好みに合いません。嫌いなこと、厭なことはやらない。このところその傾向が強くなっています。もしかしたら老化現象に属するのかもしれません。でも、昔からそうだったようにも思います。

 眼
40歳そこそこの時、老人性白内障と言われました。眼球の中にゴミが浮いて漂っていました。渡辺のジュースの素のような色をした点眼薬を貰いました。診察をしてくれたお医者さんに、不遜にも、老人性という病名を取り消すよう要求しました。40歳が老人の範疇であるとは思ってもみませんでした。「私も老人性白内障です」結構別嬪さんだったお医者さんはそう言って、老人性の取り消しを拒否しました。医者である彼女も同病とはどういう意味合いなのか。眼薬は一度さしただけで止めました。治る訳が無いと思いました。以来30年以上放置していますが、症状は変わりません。若年性白内障だったと思います。眼鏡は何度も替えましたが、度は当時と同じです。

 耳
物ごころがつく前に右耳の中耳炎をやっています。耳鼻科にかかる度に、医者にその痕跡を指摘される事で自覚しています。確かに左右の聴力には明確な差がありますが、普段は気になりません。TVを見ていて聞き取りにくいなと思うことがあります。ビートたけしの話は何を言っているのかさっぱりわからない時があります。早口とだみ声のせいです。昭和ヒット歌謡大会の如き、古い音源、録画で演歌を聴いていると、音程が狂っているように思える時があります。こちらの耳の劣化なのか、先方の音源の問題か悩ましいところです。本当のところは、歌手が音痴だったのかもしれません。

この子の鼻骨は曲がっとる。ガキの頃お医者さんにそう言われたのを覚えている。鼻もヘソも曲がっているようです。それによるのか、鼻の片方が詰っていることが多いのです。風邪をひくとこれが酷くなります。それでも両方とも詰ることはないような気がします。使用後、トイレの臭いがこのところ、ほとんどしないのはTOTOの技術によるもので、鼻の劣化ではないと思います。

 口
左下顎側の奥歯が二本ありません。30歳前に一本抜歯しました。歯茎が腫れ痛かったので抜いてくれと言ったら、休憩時間込みではありますが3時間かけて抜いてくれました。医者も患者も性根尽き果てた感がありました。腫れが酷い時に抜歯するのは、禁止事項度だということを後に知りました。時間と言い判断と言い、あの歯医者はヤブという感じです。歯を割って抜いたのですが、何十年かの後、その残滓と思われるかけらが歯茎から浮き上がりました。その隣が傷んで二年ほど前に抜歯されました。入れ歯を作ってくれましたが、物を噛むと痛いので放棄してしまいた。
歯の話ではなく、口の話でした。お前は口が悪いと、昔から言われて今に至っております。これは老化とは全く関わりがありません。生まれつきに近いものです。

 記憶力
「人や物の名前がなかなか出てこない」
親しい人やいつも使っている物の名前が出てこないなどということはありません。名前が出てこないのは、常日頃考えない、思い出そうともしない人や物です。どうでもいい人や事物については、当たり前ではないでしょうか。関心のない記憶を呼び出すのに時間がかかるのは当然です。若い頃は思い出したというのは錯覚か、用もない物を思い出す暇がなかったか、必要が無かったのです。思い出すのに時間がかかるのは日ごろ無関心で、深い所へ記憶を沈めているからでしょう。勿論、ネンキンマンともなれば親しい人や事物の対象が減少しているという事実はあります。それで、昔より思い出せない範囲が増えたのです。
「昔のことは覚えているが、昨日のことは忘れる」
昔のことを覚えているというのは怪しいものだと思います。大きな出来事は覚えているといいますが、本当に確かで、間違いのない記憶でしょうか。覚えている内容が、他の情報と混ざり合って創作してしまった記憶ではありませんか。私が書いている雑文はまさにこれです。創作です。創り話です。
昔の写真を見つけ出し、そこに映っている人や風景が自分の記憶と全然合わないことがあります。時間をおくと、その写真の記憶が戻るのか、記憶が修正されるのか、これぞあの時のという思いになります。本来記憶などというのはいい加減で、昔のことでも今の直前のことでも適当なものだと思います。あれは白かった。俺は記憶力が好いのだ。他の人はそれが白かったか黒かったか覚えていないから、その人の主張を尊重して同意します。本当は黒かったのかもしれません。ゴメンナサイ。私のこの論は卑怯です。己の記憶力の弱さを、話をすり替えて片付けています。謹んで謝ります。
「記憶より記録を!」某車載記録装置メーカーのキャッチコピーです。昨日の晩飯が何だったか覚えていない。当たり前です。覚えていても何の役にも立ちません。「忘れようとしても思い出せない」昔の漫才師のギャグです。人間の脳はテキトウによく出来ています。脳細胞の使用、不使用部分を自動的に整理しているのでしょう。この整理が覚束なくなるのを老化というのではないでしょうか。混乱混濁が起こり始めるのです。忘れる。好いじゃあないですか。貴方も私も脳が健全なのです。

頻尿
脳から下がってオシッコです。
昼間何回。夜間に何回か。
昼間何回かは勘定をして用を足す習慣が無いので、いい加減です。起きた時。寝る前。他に3、4回位かなぁ?です。
他にの中に含まれるだろうと思いますが、パソコンをつける時に行きます。立ち上がりの時間を待つ暇つぶしです。暇つぶしでオシッコに行くのなら、暇に充ち溢れている私の場合、しょっちゅう行くことになるはずです。そうはなりません。どうしてでしょうか。
夜は0.6/日位かと思います。オシッコがしたくなって起きる場合もありますが、冬は寒かったり、夏は暑かったりして眼が覚めるとか、時には何所かが痛くて起きることもあります。昔、オシッコをする夢を観ると寝小便をしていたという話を聞いたことがあります。これは間違っています。トイレを探しまくっても無かったり、ようやく見つけたらとんでもなく汚かったりし、苦労の果てになんとかオシッコができ良かったなぁという夢を何回か見ています。でも寝小便をしたことはありません。物ごころついてから寝小便なるものをしたことが無いのです。幼いころ友達が叱られていたり、やらかした布団が干されているのをよく見しました。理解の出来ない光景でした。バカジャアナイカと思いました。私の娘もしたことがありません。息子はやりました。息子がやるのに到ってバカジャアナイカとの思いを訂正しました。娘には俺の、息子にはお前の遺伝がと口を滑らしてヒン睨まれたことがあります。

かくも健康優良児ならぬ健康優良爺を誇りながら、何故かしら、年間何度もお医者さんの世話になっていますし、時にはあそこが痛いの痒いのと、人様との約束をドタキャンしたりすることがあります。
健康優良爺とは何じゃいです。
 原因項目としては「痛風」「膝痛」「腰痛」「心痛」などがあります。
「痛風」は30年ほど前に発症し、その痛さに仰天しました。「ユリノーム」で発作に至らないようにしています。服用をさぼると罰が当たり、ドタキャンにつながります。このところはかなり真面目に対処しているので大丈夫です。「膝痛」「腰痛」が円周率的に出ます。整形外科の判定では「程度1」なので、仮病に毛が生えた程度です。「心痛」は心臓が痛いかの如く感じるのですが、これもさしたる異常なしです。心因性です。「心痛」という単語があっています。
これらが起きると、大袈裟に反応してしまいます。今、心掛けているのはこれらの現象が起きた時、痛くない、痒くないと自らに言い聞かせることです。これで反応を抑えることができます。よく効きます。
風呂上がりに体重測定をやっています。数年前、タニタの体重計を買いました。生年月日などを入れておくと、いろいろな測定結果が出ます。その中に「体力年齢」というのがあります。現在その数値は「61」です。15歳若メです。日ごろ自分の実年齢を3歳若いと思っている人は長生きするそうです。MLの設問に巧く答えられない理由はこれです。
病気自慢を脱却し健康自慢をいたしましょう。

 では小噺を一つ。

MERS

世の中にはふざけた野郎がいるものです。日中韓で、軌を一にして同じような文をブログに載せた。
「私はMERSに感染した。これから繁華街に繰り出し、多くの人と最後の宴を行うつもりだ」
これを受けて、
日本では保健所と警察が共同して発信元を特定し、発信人を保護取り調べた。当人は発熱などの症状もなく、悪ふざけだと申し立てた。施設に隔離の上、検査をし、結果も陰性であった。その後、発信人は威力業務妨害で逮捕された。
韓国では保健所と警察が共同して発信元を特定し、発信人を保護取り調べた。当人は発熱などの症状もなく、悪ふざけだと申し立てた。施設に隔離の上、検査をし、結果も陰性であった。その後、隔離した病院で院内感染し発病してしまった。
中国では保健所と公安が共同して発信元を特定し、発信人を保護取り調べた。当人は発熱などの症状もなく、悪ふざけだと申し立てた。施設に隔離されたらしい。その後、当人の行方、症状などは全く判らない。発生の事実を誰も知らない。

(2015.7