はじめに

●●●

2013年12月6日金曜日


ブラック企業

日本一これを機会に図に乗って冠までも取る気なり

せこいものかなセコイものかな

 

凄いことですね。草創期には100敗軍団と誹られた球団、楽天イーグルスが、9年の歳月を経て、日本一になりました。なんといっても嬉しいのは、かの王者巨人を倒してその座を得たことです。マー君を筆頭に、熱血星野の采配よろしく、真にもって目出度い限りです。世の中には、敗れた巨人のファンの方が圧倒的に多いでしょうから、日本にとってはそれほど目出度くないのかもしれません。しかし、私は大いに満足しております。

弱きを助け強きを挫く。これが一番多くの人から喝さいを浴びるお話です。私なんぞもすぐその尻馬に乗ります。

この度乗ってみようと思う尻馬は楽天です。巨人ではありません。強きをくじきの場合、今までは巨人ですが、暫くは楽天です。巨人は弱きを助けの、助けられ側に落ち込んでいます。可哀そうな巨人ファンにおもねって、楽天を誹ってみようと思います。馬に乗ったことは一度だけあります。それも観光用の馬です。見た目もおとなしそうな馬でしたから何の心配もありませんでした。この度乗るのは元気溌剌、尻馬とはいえども振り落とされたりする恐れは大です。お手柔らかにお願いいたします。

さて、馬仕立ての楽天です。楽天、ブラック企業論です。最近ブラック企業なる言葉をよく見聞きします。具体的に槍玉になっているのは、ユニクロ、ワタミがあります。どちらの会社も日頃お世話になっております。勿論そこで働いていたり、商売をさせていただいたりしている訳ではありません。利用させていただいております。ブラックと囃されても、けしからんことだとして、利用を止めるなどという制裁措置はいたしておりません。どの程度のものかと、野次馬根性でむしろ利用回数は増えております。一方お話を仕立てよう、尻に乗ろうとしている楽天は利用した記憶がありません。もしかしたら、ネット通販、ゴルフ予約をしたかもしれないかなぁ程度の記憶に薄いお付き合いです。ほとんど関係のない対象についてどうのこうのと言うのは、おおきにお世話なことです。野次馬根性丸出しの無責任論です。野次馬が馬の尻に乗るといういい加減なお話です。意図するところは来年の干支、ウマを先取りした、先進性をというさもしい魂胆もあります。

さて何を以ってブラック企業というのかです。

サービス残業、過重労働、パワーハラスメントが行われている。まかり間違うと、暴力的行為がついている場合がある。こう言ったことがブラック企業では行われているのだそうです。

楽天を以ってブラック企業と言うのは何故かということです。私は楽天の内部情報を掴んでいる訳ではありません。露呈してしまった事実に基づいてのことです。それは何か。この度の日本シリーズにおいて、楽天はブラック企業三原則をやらかしました。彼らのチームのエースであるマー君などに対してです。マー君には極めて短期間に二試合に及ぶ完投を強いました。あまつさえ、最終戦では前日の完投にもかかわらず最終回に登板させました。この仕事に対して、特別なお手当てはなかったようです。明らかなサービス残業、過重労働です。しかもそれが、志願してという本人に責任転嫁の上で強制された節があります。あの好青年の仏頂面からの推測です。野球人は個人経営者だそうですから、労働基準法は適用されないようです。しかし同法の精神は生かされ、尊重されるべきです。彼らは個々の契約という形をとっていますが、企業から離れての存在はできません。野球組織あっての選手です。逆らえば、働き場を失います。そこへ持ってきて、監督は「鉄拳制裁」というマクラ言葉で呼ばれた星野さんです。「投げるか?」そう言われれば「いいえ」などとはよう言えません。「ハイ、ぜひ投げさせてください」野球人の、エースの美学としても「ハイ」となります。則本投手なんぞも、新入生でありながら、あるからこそ、かなりの過重労働を強いられました。

自分がブラック企業へ入社した場合の対処策なるものが提示されています。いわく、「慣れる」「逃げる」「戦う」のだそうです。彼らはいつも「戦」っています。シーズンオフには過重労働に「慣れる」べく猛烈な訓練、鍛錬を行っているのはつとに有名です。あとは「逃げる」です。新入社員の則本君は「慣れ」と「戦う」にしばらくは勤しむことになるでしょう。歳を経て経験を積んだマー君は「逃げる」を企てようとしています。アメリカMLBでは100球強に投球数が制限され、過重労働から保護されています。産休や忌引きなどもあります。マー君が「逃げる」と楽天に100億円もの大金が転がり込むとも言われていましたが、急に20億円に値切られることになったようです。商売上手を謳われる楽天がどうするのか。売り時買い時を逃がすことはないでしょう。ところで、この手の収入は貿易外収支なのでしょうか。貿易収支なら、逃亡を逆利用した人身売買の疑いがありそうです。穏やかな話ではありません。

かくも歴然たる状況証拠を揃えて、楽天のブラック企業ぶりをいい加減に書きましたが、なぜか、冗談だけではないようなお話が聞こえてきました。

一つには、楽天日本一記念として、監督さんの背番号77に合わせて、77%値引きと称する販売を行いました。ところが値引きの基になる値段を高く設定し、77%値引きの販売価格に見せかけ売り出しました。典型的偽装です。詐欺に限りなく近い偽装です。このところ有名老舗企業が偽装騒動に名を連ねています。新興企業も負けじといったところでしょうか。ただこの場合は誤表示などというものではありません。バナメイ海老より77%値引き大特価の方が悪質です。バナメイ海老系の被害者はお金持層で、金銭的損失は相対的に軽いものです。まぁ、食通をもって任じておられる方々なら若干の屈辱を覚えたでしょう。それでも、「酢豆腐」の伊勢屋の若旦那程度のことです。日本一系は大幅割引なら買おうかという、いわばお金持層でない人々が大多数です。相対的に損失額は大きいのです。この事件で楽天の社長は見事日本一に輝きました。彼は誤表示などと言いませんでした。「怪しからんことだ!」と断罪し、インチキ値引きをやったテナントを出店停止にしました。こいつらが悪い。けしからんから処罰をする。歯切れよく始末しました。その剣幕、勢いに誰もが納得し、責任論を振りかざさず、社長に辞めろとは言いませんでした。日本一の危機突破でした。マー君はピンチになるとギアを入れ替えるのだそうです。社長もギアを入れ替えて、ピンチを逃れました。マー君に学んだのでしょう。その結果、社長は統治能力を世間に示すことになりました。ジョンウン様並です。

バナメイ海老系の社長さんは辞めさせられました。誰が辞めさせたか。マスコミです。何か不祥事があると、幹部が頭を下げる記者会見が行われます。見ていて気分が悪くなります。あれは完全にマスコミ対して、形式的にも実態的にも頭を下げています。被害者は勿論、テレビを見ている人たちがあれで気が晴れるということなどはありません。馬鹿なマスコミは低頭時間の計測までしています。楽天の社長さんが責任を追及されず、辞めろコールも起きないのは、楽天にかかわるマスコミの利益が、お世話になっている程度が、バナメイ海老系より桁外れに高いからではと勘繰ります。バナメイではなくブラックタイガーです。

もう一つあります。

ケツが引けているのはマスコミばかりかと思ったら、なんと政府までも引け気味です。薬局で売っている一般の医薬品を通販で売るというのがアベノミックスの規制緩和の目玉だそうです。二階から目薬的規制緩和策に思えますが、目玉に目薬だから効くのかもしれません。その目薬をさすのを後回しにすることになりました。「楽」の字に草冠をつけ「薬」にし「天」下って「店」開きし、「薬店」になる目論見だったようです。楽天の社長さんは目玉の先送りに怒り、政府議員なるものを辞めるとゴネました。医薬品の通販認可先送りにケツをまくったのです。まくられた政府の方はケツが引けてしまい、何とか説得したか、密約でもしたのか、当人が痔でも悪かったのか、パンツをはき直したようです。果たしてそのケツまつは如何か。功なり名遂げた一流企業経営者の多くは、その途中はかなり怪しげでも、晩年はお国のために働いています。彼はお国のためにと言われて政府議員になりながら、自分の家業の利益代表しか勤めない、ケツの穴の小さな人物なのかもしれません。痔が悪いか、小さいか、ご本人のそれを見たことがありません。

軽口のついでに楽天の悪口を言わしてもらいます。軽口のほとんどは冗談ですが、悪口は40%程本気です。

この会社は英語が公用語だそうです。日本では日本語が公用語だと思っておりました。たとえ一部とはいえ日本国土の中で他国語を公用語とするなど彼にそのような権限はあるとは思えません。日本ではこういうことが比較的いい加減に扱われております。日本語が公用語だと憲法には書いてありません。お役所では日本語でしか受け付けないから、公用語は日本語なんだろうなと思っております。その程度のことですから、英語を公用語と定めても、許されるのでしょう。でも、偉大なる大国、中国をごらんなさい。ウイグル自治区は中国領土にされました。チベット自治区も同じです。中国では、漢語というのが正しいのかもしれませんが、中国語が公用語のようです。たとえ一地区でもそれを逸脱することは許されません。ウイグルでウイグル語教育を、チベットでチベット語を義務教育として一切やらせません。先祖代々、昔から使っていた民族の言葉を公用語として認めず、教育を妨げる施策を行っています。楽天は英語国家の自治区なのでしょう。そして独裁国家と同じ独裁企業なんでしょうね。これが悪口です。

ブラック企業。企業の姿を表現するのにカタカナ語がつかわれています。

トイレは綺麗です。とくに最新式の日本のトイレは世界に類例のない綺麗さを誇ります。これを便所と言うと汚く聞こえます。水洗式ができた当初は、水洗便所と言いました。これでかなり綺麗になりましたが、水洗トイレになって更に綺麗になりました。

企業を表す場合もカタカナ語で綺麗にしています。ブラック企業と呼ばれている間は大丈夫なようです。これが黒企業と言われると大変です。黒企業には銀行がお金を貸してはいけないそうです。貸した銀行は頭取の年収が半分になって,一億円を切ることになってしまったそうです。大変なことです。頭取さんはこれからどうやって生活するのでしょうか。ブラック企業の経営者の皆さん、ぜひブラックでとどめてください。黒はいけないようです。

・・ここへ来て腑に落ちました。

楽天が英語を公用語とするのは、黒をブラックと言いくるめようという深い考え、社の、経営者の方針なのでしょう。たぶん。それなら納得です。まかり間違っても、中国語が公用語にならないようお願いいたします。

 

それでは野球に関する小噺を一つ。

 

引退

 

数々の最年長記録を更新してきた球界最年長投手が引退記者会見を行った。会見に先立ち、投手の投球が披露された。記者の質問が行われた。

記「やはり年齢からくる、肉体の衰えですか」

投「先ほどもお見せした通り、まだまだ体は大丈夫です」

記「ではなぜ引退を決意されたのですか」

投「本当はまだ投げ続けたいのです。球団の意向が・・・」

通常の引退会見のように進まないまま、会見は打ち切られ投手は退席した。記者が残った球団関係者に質問した。

記「本人は引退したいとは思っていないようですし、見せてもらった投球内容も、全然衰えていないようですが」

球「全くその通りです」

記「ではなぜ引退をさせるのですか」

球「投球内容は全く衰えていません。球団としても現役を続けて欲しいのです」

記「・・・・・・?」

球「なぜかしら、最近グローブが無くなったとか、時には財布が無くなったなどと彼がチームメイトに問いただすことが目立ち、チームの和が保てなくなりました。潮時かと・・」

 

(2013.12)