はじめに

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2018年3月6日火曜日

資本主義野郎


資本主義野郎 

 金は天下の廻りもの お皿で廻る俺の分



恥ずかしながら、お金、経済というものをよく理解していません。

新聞は読みますし、TVも見ます。パソコンも使いますから、ネットには眼を通し、それなりの情報は得ているつもりです。情報はあっても理解が出来ないのです。

トランプさんの関税引き上げ宣言の前のお話です。ニューヨーク市場、東京市場などの株が急落しました。昔、アメリカ経済がクシャミをすると日本は風邪をひくという都市伝説がありました。多分この度の東京市場の動きは、その病状というか、腺病質さがいまだに尾を引いていることによるものと思いますが、本元のニューヨークの方はどうも理解できません。メディアで専門家と言われる方々が解説をしています。アメリカの雇用統計が市場の予想より改善したことが原因だとしていました。改善です。

この専門家たちの言い草はどういう意味なのでしょうか。

株というものは、基本的には景気がよく物が売れ、みんなが浮かれる状態になれば値段が上がるものと思っていました。雇用統計が改善したというのは失業者が減ったということです。経済活動が活発になり、失業者が職を得たということです。目出度いことです。職を得た方々は賃金を得て、それを使うでしょう。失業していた人たちはお金が無い人たちが多いのでしょうから、貰ったお金をすぐに使い、金の循環が好くなると思います。景気が好いのに間違いありません。日本がデフレで経済が停滞していると言われていましたが、この金の流れがとても悪いことによっているというじゃありませんか。とりわけ、年寄りが老後のために貯め込み使わないことが原因だと、私達年寄りの生き様が大いに誹られています。

ところがお話では、失業率が下がると困る人が出るようです。人手不足です。間違いありません。私が現役で働いていた時にその経験をしております。バブルの最中、当時の失業率は4%程でした。直接経験したというより、周囲に人手確保の仕事をしている人がいて、大変だなあと思っていたのです。見ていたのです。全国を駆け回って求人活動をしていた人達を見ています。かなり苦労し大変な様子でした。ただ、その大変さは、失業して食うに食えない状態の人の大変さとは全く次元が違います。今の失業率はその当時と同じか、むしろ低いくらいです。

アメリカがどの程度なのか知りませんが、失業者が減ったということはご同慶の至りです。それが原因で株価が下がった。ナンデでっか?です。

株を、株価を動かしている人達は何を考えているのでしょうか。

人手不足により賃金上昇を招き、分配率が変わり企業の取り分が減って、労働者に流れることになる。企業の取り分が減るので利益率が下がり、株を保有している己の取り分が減る。これは困る。株を売る。という図式だそうです。自分の持ち物の価値が下がるのは我慢ならないから、売ってしまえ。自己防衛行動としては決して間違っていないことです。正しいのでしょう。その先にいる、失業者、不幸にもお金に困っていた人達が職を得て、いささかなりとも安堵し、幸福感を味わえるのが迷惑だということには、賢い人達ですから気が付かないということは無いでしょう。この人達は、他人が少しばかり幸せ感が増すと損だと思う自己中心の発想しか出来ない人達だということです。他人の困窮が己の繁栄になる。可哀相です。人の不幸を飯の種にしているなんぞは可哀相です。しかし図らずもこの度の株価変動は、専門家の解説が正しければ、この人々のおぞましさを露呈し、経済音痴の私なんぞにも教唆してくれたということのようです。資本主義のおぞましさ。くたばれ資本主義といいたくなります。間違いました。悪いのは資本主義ではなく、資本主義野郎です。資本主義の寄生虫のごとき人達です。

立て飢えたる者よ!

資本主義に対峙するものとして共産主義があります。

その昔、この言葉に奮い立ち資本主義を打倒し、共産主義国家を作り上げた国が沢山ありました。そして、時が過ぎて貧乏国家になりました。貧乏だったからこそ革命が起きたのかもしれません。とはいうものの、やはり共産化によって貧乏国家になったのだと思います。東西ドイツ、南北朝鮮を見れば、制度によって貧乏になり、おまけに独裁によって人権まで侵害される羽目に陥ったといって間違いなさそうです。この手の主義主張を持った人達を “アカと呼んでいました。掲げた旗の色からそう呼んでいたはずですが、国の財政がアカになってしまいました。

立ち上がった飢えたる者は、皆コケてしまいました。唯一立ち上がったままの国があります。中国です。自衛隊を軍隊と言わない日本から得意のパクリをやりました。社会主義的ドテラコテラなる妙な言葉を創って資本主義を導入しました。上海市場という証券取引場が出来ました。株式会社などというのは、資本主義の塊みたいなものです。何で共産主義国家にあるのかなどというのは、野暮というものです。今や、世界の中で一、二を争う金満国家です。北朝鮮兵士の寄生虫が話題になりましたが、この国の資本主義寄生虫は大型でオドロオドロしています。

日本にも共産党という政党があります。この党は革命を起こして貧乏国家を目指しているのか、金満国家を目指しているのか判りません。彼ら自身は現在のところとても貧乏人には見えません。もしかしたら金満家にもなれないのかもしれません。現状に満足しているようにもみえます。この度の資本主義のおぞましさを解決してくれる、解決してやるぞ政党なのでしょう。「あらゆる中傷と誹謗の中を断固戦って」主義主張を決して変えずに来たのです。この方たちは変わるのが嫌なのでしょう。変わるのが怖いのです。よく判ります。私程度の歳になると、口では現状に対して不平不満を言いつのりながら、変わるのは好まなくなっています。怪しからん、改めろ。他人には言います。特段、権力に対して逆らった物言いは、傍から見ると自己満足が透けて見えても、恰好よく思えます。資本主義のおぞましさを嘆き悲しむ。それでいて、何年経っても変わらない、極めて保守的集団です。資本主義に寄生しているだけです。虫にもなっていません。

中国共産党指導部の方々は違います。明らかに日本共産党の様に保守的ではありません。現在の指導者の方々は、あの文化大革命の時代だったら、紛うことなく走資派に認定されます。殺されます。殺されないまでも野垂れ死にか、牢屋にぶち込まれるべき人々です。鄧小平を筆頭に、彼らは間違いなく改革者です。後継者はさらに改革を目指しています。噂では最トップが毛沢東を目指し、凌いで自国を世界の高みに置こうとしています。少し間違っているとも思われます。毛沢東は自国ではトップに君臨しましたが、国自体は決して一流国ではありませんでした。一流国たらんと欲すれば、始皇帝にならなくてはなりません。こうなると改革では無いようにも思われます。違うかもしれません。単なる懐古趣味かもしれません。趣味程度にとどめておいて頂ければいいのですが。若しかして、共産主義から資本主義を通り越して専制国家になるのではと心配です。困ります。近所ですから。気が気ではありません。この方は何主義者か判りかねますが、ナントか野郎ではないことを祈るばかりです。

アメリカ資本主義との連れションで株価が下落した日本の経済はいかがなものでしょうか。アベノミクスの効果が無く、景気回復を身に感じることがない。そのような報道が結構あります。この場合でも多くの専門家が批判を加えています。大勢専門家がいるのですから、この人たちが力を合わせてなんとかすればアベノミクスなどくそ食らえで、なんとかなるのではと思いますが、彼らは批判しているだけです。それが仕事だからよろしいのでしょう。

私など年金マンは埒外人間ですから、ドウノコウノいえた義理ではありませんが、現下の経済状況の一端を感じることがありました。

近所の人とたまにゴルフなどをやります。計画を相談した時のやりとりです。その人はリタイア後小遣い稼ぎのため時々パートで働いています。次回の相談をしました。来月は忙しくて、大方仕事があるので、日にちはいつでもいいとのことでした。事情が飲み込めませんでした。忙しいのにいつでもいいというのは、雇用状況が改善したので株価が大幅に下がったというのと似ています。理由を聞きました。仕事が沢山あるので、好きなときに好きな時間働くことが出来るというのです。仕事が少ないときは、言われた時間に働かないといけません。景気がいいのです。彼は収入と労働の時間を選択できるのです。景気がよくなり、労働者の自由度が増したのです。アベノミクスの効果を感じました。



では小噺を一つ



相撲道



平和交渉のまとまりを祝って、六カ国の首脳が祝賀会を開いた。宴たけなわとなり、余興に相撲でもやろうということになった。トランプがアメリカファーストとばかりに前に出た。

トランプ「どうだ、晋三かかってこい!」

安倍「相撲は我が国の国技です。正しい形でやらなくてはいけません。今ここにはマワシがないので、駄目です」

次にプーチンが指名された。

プーチン「駄目だよ。俺が勝ってもドーピングだとか言われるだけだ。つまらんよ。習さんどうだい?」

習近平「これからズーッと死ぬまでトップとして働かなくてはいけない身だ。足を引っ張られるのは御免だ。怪我でもしてはつまらん」

トランプ「なんだ。みんな年寄りばかりで、言い訳がうまくて駄目だな。おぉ。ジョン!お前はチビだが目方はありそうだ。どうだ来るか?」

ジョンウン「なにを!ジジイごときに負けてたまるか。叩きつけて二度と立てないようにしてやる!」

二人とも笑顔でやりとりをしていたが、なぜかしら文在寅が割って入った。

文在寅「いけません!いけません。ここは一つ話し合いで。話し合いで!」

その脇から、安倍が割り込んだ。

安倍「駄目です。いけません。相撲道において、話し合いは禁物です。八百長と言われ一番いけないこととされています。話し合いは駄目です!ガチンコで!」 

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