はじめに

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2015年11月6日金曜日

理不尽なお話

世の中の間違いどれも他人の所為
正義貫く我一人 やってみようよポイ捨て唾吐き

思うに,この年まで実にノホホンと安穏に暮らしてきました。ピンチは焼夷弾の投下と川の急流での流されだけだったと記憶しております。
昔は誰それの怨念、祟りなどと上つ方の多くが恐れ慄き、時には神社仏閣までも造成寄進して安穏を祈願したものとされています。上に立つ者はその為に多くの人を蹴散らし、殺め、犠牲にしてきたからでありましょう。その重荷が心を砕き、苛まれ、怨霊を作り上げてしまったのではと思う次第です。
私がノホホント暮らしてきたのは、上に立つどころか下でも立たず、へたり込んだ状態だったということでもあります。恨まれない。恨まない。好い生き方だったと思います。さはさりながら、勿論自分自身はさて置いてではありますが、ヨノナカ間違っトルヨ!と思うことが無い訳ではありません。あるのです。お笑いくださるな。我ながら情けない悲憤慷慨のブチマケです。愚痴です。それもプチグチ。理不尽などというタイトルは上げ底で、基まで届いておりません。いいかげん改竄をしています。
だいぶ以前にこの手の愚痴を書いたことがあります。国鉄時代の仙台駅での改札混乱。これなんぞは国労が、身の程知らずの要求をし続けて乗客を敵に回したものです。年賀状の差し戻し頻発。これは逆に郵政民有化による戦力低下、能力低下が原因と思います。似たようなことで、サンパウロ領事館引っ越しによる届け出の不着。等など、愚痴りました。どれをとっても軽度なものです。この度はそれに輪をかけて軽微なことです。
税務署に係わるものです。事業をしたりしている訳ではないのですが、ネンキンマンは確定申告が必要です。このことで体験したお話です。愚痴です。
所得税延滞督促状なるものがきました。督促状です。何か悪い事でもしないと督促状などという代物が来る筈はありません。人民はいざ知らず、国民は国家によって手厚く保護されています。政府がめったなことで国民を罰するなんてことはない筈です。
督促状に至ったいきさつは次のようでした。
期日に合わせて確定申告をしました。パソコンを駆使して作成した申告書を豊橋税務署に持参しました。税務署はハローワークと同じ建物に入っています。憲法に定める国民の義務の中の二つ、納税と勤労を司る建物です。ついでながら、隣に豊橋地方裁判所があります。税務署では大勢の人が列を作っていましたが、「提出だけの方⇒」と書いた案内に従って、列のわきを通り過ぎて二階に上がりました。その前の年に列に並んで、ようやく辿り着いたら、提出だけの方は二階ですと言われ、努力と忍耐が報われなかった経験がありました。掲示の小ささと不親切さに腹が立ちました。この度は迷うことなく二階へあがりました。受付に「番号札をお取りください」と書いてあります。ボタンを押して番号札をとりました。番号を見ながら椅子に座った途端に、「23番の方」とアナウンスがありました。ボタンの傍らにいた人が、こちらへという感じで私を見ました。私が23番の方です。
「確定申告の書類を出したいのですが。これでよろしいでしょうか」
その人は書類をパラパラと見ました。
「質問があるのですが」
「何でしょうか」
書類から目を離さずにその人は返事をしました。
「私一人しかここに居ないのに、何で番号札をとらせるのですか?」
「私達公務員は定められた手順に従って業務を遂行し、間違いのない手続きを皆さんにしていただくのです。それに一々ケチをつけられても困ります。この事で何か貴方にご迷惑がかかったでしょうか」
本当はそう返答したいところを省略して「ハイ、結構です」と言いました。
さっさと帰れの感じでしたから、早々に退散しました。
そんなやり取りがあっての督促状です。督促状には延滞金を合わせて支払えと書いてあります。税務署に電話しました。
「督促状がきたのですが、・・・・・」
「振込用紙が同封してあるでしょう。それを持って行ってコンビニか銀行で振り込んでください」
「納税不足額のほかに延滞金という項目があるのですが、ちゃんと確定申告をしたのにどうして悪いことをしたことになっているのですか?」
「あぁ、不足額があれば確定申告書の提出時にお払い頂くことになっています。期日までに払い込まれなかったので督促ということになりました」
「受け付けでは書類を見て、結構ですと言われました」
「そうですか。なんか行き違いがあったのですかネ」
間違っているのはそちらです。私どもは手順通りに事を進めております。言われなくとも、そう聞こえました。
「延滞金はいくらなのでしょうか。何も書いてないのですが」
「不足金額はお幾らですか?」
「えぇっと。四千四百円です」
「・・・・? あぁ、・万円以下の場合は、延滞金はいりません」
・万円の「・」の部分は聞き洩らしました。
確定申告の時、四千四百円ぶんの納入不足分があったのは承知していました。どうやらこの金額を申告書提出時に納入しなくてはいけなかったようです。それを、番号札の質問をしたために受付の人を惑わせ、作業手順を狂わせて支払うべき行為をさせてもらえなかったのです。
それにしても、驚かされました。延滞金などとは罰金という受け止めです。私は無罪というより軽微なのでオ目こぼしを頂いたというところです。税務署は怖いと寅さんのタコ社長がよく言うセリフです。怖いですカね。
国鉄、郵便局、領事館に税務署。どれも公務員絡みです。民営化されて改善されたものもあります。税務署の民営化は無理でしょうか。
四千四百円也をコンビニでのATMで振り込みました。延滞金などという罰金は不要でしたが、振込手数料百八円也を必要としました。税務署は罰金を手数料という形で受け取るべく、一部民営化されているように思えました。エ?百八円をせしめたのは国ではなく民間の銀行ですか。官民癒着というやつですか。

それでは小噺を一つ。

技術水準

横浜におけるマンション杭打ち未遂、傾斜事件に関して、中国の建設業界のそれなりの人を旧華網がインタビューした。
記者「この度の日本のマンション傾斜事件をどう評価するか」
建設「技術水準の低さを示すものだと思う」
記者「日本の技術水準の高さは中国でも知られていると思うが?」
建設「その通りだ。だがこの件に関しては別だ。彼らはわが国の技術をパクッた」
記者「パクるのはわが国の方が得意ではないか」
建設「その通りだ。だがこの件に関しては別だ」
記者「どういうことか」
建設「本質を見極めていない」
記者「本質を?」

建設「その通り。きちんとやっておれば、傾斜や亀裂などということは起こらない。直ちに崩壊、倒壊に至ったはずだ。オカラ工事の本質を理解しないままパクッてしまった結果だ。レベルが低い!」  (2015.11)