はじめに

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2017年3月6日月曜日

大国

大国 
大国と中国の狭間小国はハグをされたりパクられる

アメリカ・トランプ大統領の政策にはなんの新規性もありません。全て特定の国からのパクリです。
世界には大中小、様々な国があります。大国は時代によって入れ替りがありました。今現在ではアメリカが唯一の大国です。ロシアと中国を大国とするむきもあります。ロシアはかなりお金に困って、貧乏生活を堪えているようです。プーチンさんの強硬路線で武力を以って地位を保とうとしていますが、強面だけでは世間が靡くわけでもなさそうです。大国呼ばわりは迷惑かもしれません。中国はGDP、人口、その尊大にして横柄な態度など、大国と呼ぶにふさわしいと思いますが、なぜか慎み深く中国と自称しております。その他の国は小国です。昔は一等国、三等国などと等級付けでしたが、今は差別感があるようで、使わなくなりました。大中小は差別と言われないようで、使っても構わないようです。このあたりの理屈は今一つ判りません。
大国、一等国と言えない、言わない自称中国を、それでは申し訳ないというので、冠をつけて大国と呼ぶこともあります。曰く「パクリ大国」などという言い方です。
このところ、大国に異変が起きております。ここでいう大国とは慎み深く中国と言っている国ではなく、自他共に認める唯一の大国である米国です。国力が衰退し弱小化したという意味ではありません。今や米国は単なる大国ではなく「パクリ大国」に変身しました。
去年の選挙でトランプさんが大統領に選ばれました。このトランプ大統領のやりだしたことが、どう見てもパクリだからです。パクリを平気でやる国は大国などというのは相応しくないように思われます。どちらかと言えば、二等国という呼称がピッタリと当てはまります。少し合点がいきました。大国と一等国とは意味、内容が違うのです。
何をどこからパクッたかです。パックった相手は元祖「パクリ大国」からです。パクリのパクリですから、たいしたものです。何をパクッたか。パクリの内容をご紹介します。

先ずは、何といっても選挙中から唱えているお言葉です。とても丁寧にゆっくり発音してくれますから、私ですら完璧に聞き取れ理解できます。
Make America Great Again !”
聞いたような言葉です。
「中国夢」・・中国民族の偉大なる復興・・
こちらの方は聞き取れたのではなく、TV、新聞などメディアが報じた文言です。
Make・・より中国夢の方に先願権があります。Make・・の方は明らかに後出しであり、中国語を英語に直訳して中国を消しAmericaにしているだけです。Make・・の方が目指している基となる時代は20世紀ですが、中国夢は19世紀の1840年以前、アヘン戦争前の栄光を目指しています。加えてMake・・は、情けないことに中身が経済のことだけです。経済というと何となく恰好よく聞こえますが、金、金、金・・・です。謹んで古語を使えば、金色夜叉です。かつて日本はEconomic Animalと呼ばれた時期がありました。Animalです。夜叉より可愛いものです。パクリの基である中国のそれは違います。流石中国です。金色夜叉、Animalなどとは言わせません。金、金、金・・・だけではありません。覇権の拡大が顕わであり、口先だけでなく大胆な軍事的威嚇行動も伴っております。

次は米墨間にグレートウォールをつくれと命じたことです。英語で万里の長城をグレートウォールと言うそうです。それをつくれと言っているのです。ドラえもんモドキの縫いぐるみどころではありません。堂々と万里の長城をパクルと宣言しています。わずか五百年ほどの歴史しかない国としては、あの長い歴史の遺産である万里の長城を何とか欲しいと思ったに相違ありません。長城の方は北狄に備えるべきものですが、風水で方角が悪いと出たのか、国境の南に造ることにしました。南蛮呼ばわりをして、費用はメキシコ持ちと主張しています。メキシコとしては払うべき理由が見つかりません。国境を超えて不法入国している人たちはメキシコ人だけではなく、近隣中南米の人達も結構います。隣だからといって、メキシコだけが負担をするいわれもありません。金もありません。メキシコは不幸な国だ、天国から一番遠く、アメリカに一番近い。そう言っています。
総工費八十億ドルを要するそうです。米墨間の国境線は3,000Km余りです。長城から比べれば知れています。現存している長城に対しても半分程ですし、総延長からすれば10%余りのようです。パクリの哀しさです。足元にも及びません。本家は二千年以上かけて造ったそうです。それほどに大掛かりな物でも費用対効果は満足すべきものではなく、夷狄の侵入を免れませんでした。パクリの方は何年かけるつもりでしょうか。近代技術を結集して作っても簡単に侵入を許すと冷たい目で見られています。おまけに最新技術をもってしても無理なような気がします。その昔、メキシコ・レイノサからアメリカ・マッカーレンへリオグランデに架かる橋を渡って国境を越えたことがあります。勿論合法的にです。あのあたりの国境線は河の向こう岸だったりこちら岸だったり、ハタマタ真ん中に引かれたりしています。河をせき止めないと人を止める構造物は出来そうにありません。水は通すが人は通さない。無理筋という感じです。

次は不法移民の送還です。
今あるフェンスを乗り越えて出入りしているのは、不法移民とヤクの運び屋です。彼らを止めるのは必要なことですし、とりわけ国境近辺の人々の安寧を損ねているのは間違いありません。何らかの手段が必要です。全く異議ありません。しかしメキシコ人に言わせれば、あの辺りは戦争で盗られた領土だ。遙か先まで俺のものだった。自分の土地に俺が入って何が悪いか。です。そんなことは考えていないかもしれません。ひたすら貧乏なだけです。パスポートを取り、堂々と税関を通ってそのまま居残ることすら出来ない人達でしょう。私が行った当時のマッカーレンでは、ガソリンスタンドのお兄ちゃん、ハンバーガー屋のお姉ちゃん、ホテルの受付のおじちゃんはスペイン語しか話せませんでした。彼らがアメリカ人なのか、合法的に入国しているのか、はたまた不法滞在者なのか知るところではありません。
不法移民にしろ、合法入国者にしろ、メキシコの安い労働力を利用してアメリカ自身が儲けています。それをアメリカ人の仕事を奪っているから入れないだけでなく、送り返すということです。
北京や上海のような大都市には、出稼ぎの農民が多数います。彼らを大都市から追い出すことが行われています。農民戸籍の人達は都市戸籍保有者と大きな差別を受けています。二等国民と言われているとか。国、経営者から見れば真に都合のよい低賃金労働者です。経済情勢が聊か心もとなくなった中国では、大都市の再開発での景気浮揚策が必要となりました。出稼ぎ労働者が集まっている地区が指定され、追い出しが始まりました。トランプさんのように、出て行けなどという命令程度のものではなく、住んでいる家屋をぶっ壊していました。実力行使です。追い出し先は今まで何もなかった所です。鬼城と呼ばれる高層住宅が建っているだけで、人っ子一人ない所です。仕事があるやらないやら不評です。大都会からは追い出し、田舎にのんびり暮らしている1億人を連れてくるとか。もしかしたら、新型の強制収容所かもしれません。しかし、法治国家ですから、人民を法律で立ち退かせることは官権力の行使で容易に出来ます。その法律が憲法に反しているか否かの裁判沙汰もありません。
パクリの方は放り出した先に住む所すら考えません。鬼城をつくって準備する本家に比べると気楽なものです。
トランプさんは低賃金で働く不法滞在者がアメリカ人の職を奪っていると言いました。彼らをトッ捕まえて送り返せば、アメリカ人に職が戻る。戻ってくる職は低賃金です。アメリカ人がその職につくかどうかは考えてないと主張する人もいます。そうなんでしょう。厭な、賃金の低い仕事はメキシコ人にやらせるべきで、アメリカ人がやるのは如何なものか。そういう主張です。主張している人は、低賃金労働者ではないアメリカ人です。日本にもいます。日本人の嫌がる仕事を維持するには、移民に頼るべきで、もっと移民の数を増やすべきだ。今、正論らしき事を私は言っています。偽善です。自分が低賃金で、小汚い乃至は過酷な仕事に就くなんぞは嫌です。困ります。どうしましょうか。
トランプさんがそのあたりを考えたかどうかは知りません。取りあえず、不法滞在者を追い出せです。パクるべき政策です。戸籍が違うどころか国籍が違います。法治国家の世界の模範たるアメリカとしては、その名の通りの不法滞在者を追い出すのに何の躊躇も必要としません。中国の法治国家主義をパクッています。パクリの哀しさ、訴訟にならないような手立てはパクる事が出来ないようです。

そんなこんなで、パクリの数はかなりのもので、聊か疲れてきました。来月回しとしたいところですが、一つだけ加えることといたします。

トランプさんが尊敬し、憧れている過去の大統領がレーガンさんだそうです。レーガンファンは今でも結構いるようです。中国のパクリばかりだと言ってきましたが、レーガンさんからもパクろうとしています。これも中国のパクリです。習さんは、自分を毛さんにしようと、己を核心だと称させることとしました。偉大とされる先人に倣うのは悪いことではありません。ですから、習さんをパクッてレーガンさんを倣うのは悪いことではないと思います。ここで少し気になることがあります。習さんちの隣の方です。あの方は祖父の髪型、動作など倣っています。こちらの方までトランプさんはパクリをしないかと心配です。トランプさんには腹違いのお兄さんは居ませんか?それなら、大丈夫かもしれません。杞憂でしょう。
先日、相模原の障害者施設殺傷事件の裁判で、被告の精神鑑定結果が明かされました。病名は「自己愛性パーソナリティ障害」というものです。これは刑事罰を問える病名だそうです。
習さん、金さん、トランプさんと名を連ねてみて、その記事を思い出しました。植松被告が元祖で皆さんがパクッたか? 思いすごし。杞憂です。世界の偉い方達が小日本の一被告からパクったりはしないでしょう。心配には及びません。

それでは小噺を一つ。

小野篁 その2 

小野篁は夜な夜な井戸を通って閻魔の庁へ出向き、閻魔様の補佐役を務めていた。その篁が、天寿を全うし身罷った。
身罷った小野篁を閻魔大王がお裁きをすることとなった。
閻「困ったもんじゃ」
見「如何なされました?」
閻「篁の罪状は何もない」
見「は?もしや極楽送りに?」
閻「その通り。これからわしを補佐してくれる者が、お前一人になってしまう」
見「それは困ります。閻魔様。私に考えがございます。篁と相談してみます」
見る眼嗅ぐ鼻は篁と水面下で話し合いをした。結果を閻魔大王に申し上げた。
閻「申してみろ」
見「・・閻魔の庁ファーストで・・・・・・!」
閻「エクサレント!」
篁は閻魔大王様の面前に引きたてられ、お裁きの裁定を受けた。
閻「その方の生きざま真にアッパレである。一片の罪状も無い。寄って極楽浄土送りとする」
篁「は、ハァー」
閻「ただし、情状により執行を猶予する。猶予期間は無期である。これにて一件落着」
篁「はっ、ハァー。ありがたき幸せ!」
(2017.3)