はじめに

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2017年5月6日土曜日

豊洲からの連想

豊洲からの連想

小池枯れず つきもかりも ファーストきどり

関係者以外は殆ど聞いたことも無く、知りもしなかった豊洲が小池知事のお蔭ですっかり有名になりました。あのまま引っ越していたら、世間にその名を知られるのが遅れるし、もしかしたら知らないままの人がかなりいたのではないでしょうか。売名方法としては最高の手段でした。広告費と遅延による経費損失の比較は必要かもしれませんが、質的にはかなり利益を得たと思います。
未だにTVで取り上げられ、いささか食傷気味ですらあります。魚市場に食傷などという言葉は不穏当です。食傷気味と言いながらここに取り上げたのは、豊洲関連で幾つかの事を連想したからです。大したことはありません。勿論、戯言ばかりです。
頭の狂歌はパクリです。パクリという俗語が無かった頃は本歌取りといいました。なんとも恰好のいい言葉です。
本歌は、「池枯れて月も宿らず雁も来ず」
皆様よくご存じの天下一のバレ句です。句にしろ、歌にしろ、これは大傑作だと思います。作者のしたり顔が思い浮んできます。及ばずとも目指したい境地です。及ばぬことと承知していますから、それをパクリました。小池知事が枯れているのかいないのか、知る由もありませんが、お姿を見ていてバレ句を連想しました。見た眼で評価してはいけないとも思います。「おホホホホ、ホ・・」の仕草からは枯れたお方とはとても思えない、生々しさを思って作った次第です。本歌取り。好い言葉です。パクリなどというカタカナ語より遙かに情緒があります。したがって「ファースト」などという言葉は使わず「初物」としたいところです。
カタカナ語。歌絡みの連想をしました。
「ゼアイズアドバルーンスインザスカイ さぞかし会社で今頃は、ヒーイズビジートアイシンク あぁネバーザレス ネバザレス ドンチュウ アイゲットアングリー アイゲットアングリー イトイズナチュラルね」
豊洲ではありませんが、小池さんの豊洲関連でお話になるお言葉からの連想です。カタカナを接続詞でつなげたチンケな日本語らしき物言いです。レジェンド、レガシー、アンシャンレジューム・・・。とても覚えきれません。沢山あります。これらを羅列してのお話から連想した、昔のはやり歌です。ご存じない?本歌の題名は「あぁそれなのに」です。これは正しくは本歌取りではなく、替え歌です。
「空にゃ今日もアドバルン さぞかし会社で今頃はお忙しいと思ったに、・・」この唄が、何故かしら「ゼアイズアドバルーンス・・・・・」と歌われたのです。戦前の歌です。小池さんの「レジェンド・・」喋りに新規性や先進性はないということです。強いて言えばアンシャンレジュームに属するという意味であります。更に加えれば、ふざけて歌うのですから、同じようなしゃべりを公の場でやっても決して恰好よく見えたり、ご本人の頭が良さそうとか知識がありそうに見えたりするというものではないということです。馬鹿~ァ丸出し~ィとまでは決して申しません。
誰が歌ったのか。ウン。歌奴だ。何かピンとこない。美ち奴です。それはそれは色気たっぷりのお姉さまでした。歌奴は山のアナ穴の噺家です。今は出世をして三代目円歌を名乗っています。色気の欠片もありません。(色気どころか先月の末に美ち奴の方へ逝ってしまいました。ご冥福をということでお許を)
噺家。落語から連想するのは「芝浜」です。歌奴は芝浜はやらなかったと思います。一番有名なのは三木助ですが、他にも多くの噺家がやります。落語と豊洲近辺の地名で連想したのですが、芝浜という地名は今は無いのでしょうか。江戸前の魚が上がる河岸でした。五十両という大金の入った財布を拾った熊五郎。すっかりかみさんに丸め込まれ、酒の飲み過ぎで見た夢と思いこまされます。禁酒を誓い、身を粉にして働き一丁前の蓄えも出来る程になります。お上に届け出ていた五十両の落とし主が現れず、晴れて自分のものとなりました。その大みそかかみさんが騙していたことを打ち明け、目出度しメデタシで、さあと酒を勧められ「よそう、また夢になるといけネェ」が落ちです。
小池さんはこの度の騒ぎの解決までの禁酒を誓ったと言ってました。「芝浜」を知らないことはないと思います。その後禁酒はどうするのでしょうか。飲むと夢になってしまって困ることがあるのでしょうか。築地の復活論なども浮上しているようですが、オリンピック会場は元に戻りました。魚市場も豊洲にということになれば、一杯のまなくても「夢になるといけねェ」の落ちの先を行くことになります。
 夢。連想は続きます。芝浜のあった辺りと豊洲を結んだ延長線上に「夢の島」があります。
夢の島は豊洲と同じく埋め立て地です。豊洲に行ったことがありませんが、夢の島には行きました。1979116日にかの島に行きました。昨日の晩飯が何であったかは覚えていません。島に行った日にちは覚えています。嘘です。覚えている訳がありません。本日のテーマである連想によって特定しました。
夢の島にはゴミ溶融炉の実証プラントがありました。夢の島は発生ゴミの投棄所というか、それによる埋め立て地でした。私が行った当時は流石に蠅が飛び交うなどという状態ではありませんでしたが、それらしい雰囲気は保たれていました。屋上屋を架すと言いますが、ごみ上ゴミをトカスのですから、とても相応しい場所だと思いました。ここは今どうなっていますか。何か立っているのでしたら。販売譲渡などで、瓦や瀬戸欠けガラガラとなり、意地悪じいさんが出てきて、幾らかと金をせびり安いお値段で買叩いたのでしょうか。当時はその地を買った訳ではなく、利用して所有者と共同開発していました。
その実証試験の操業に聊かの係わりがあり、それを観に行ったのです。
当時、私は釜石製鉄所にいました。高炉技術の応用によるゴミ処理炉です。所の高炉関係者が何人か参加していました。
訪問した日にちの特定が出来るのは、前日国立競技場へ行ったからです。ラグビー日本選手権。社会人と学生の覇者が日本一を争うのです。ラグビー日本選手権は当時、毎年成人の日、115日に国立競技場で行われていました。1979年のその日釜石はV2を勝ち取りました。私としてはラグビーの試合を見るのは初めてでした。実は釜石ラグビーがそういう位置づけにあるということを知ったのもその半年程以上前ではなかったのです。溶融炉を観に行こう。ラグビーを観に行こう。溶融炉の方は仕事です。出張です。経費は勿論手当も出ます。ラグビー見物は遊興です。出張業務は勝手にやるわけではありません。出張命令によって出かけるものです。仕事と遊びがごちゃ混ぜです。前都知事の所業が後ろ指を指されていましたが、程度に大きな差がありますから、威張れたものではありません。オマケに、私一人で行ったわけではありません。誘いに乗っかったと思って、人の所為にしておけば気楽です。しかし後ろめたさがあるのです。そんなことをしてラグビーを初めて見たのです。
豊洲移転、オリンピック会場。いろいろ用いて何かに利する。私のラグビー見物なんぞは、どうってことはない。40年も昔のことをゴチャゴチャ思いだすことすら、可笑しいことです。利用できるものは何でも利用する。世の中それでいいのです。

それでは謎かけを一つ。

小池都知事と掛けて何と解く

アベノミクスの成果と解く

心は

あがっているように見えるが、多分マスコミはかかない

(バレ句連想で落ちる所に堕ちたオチです。ご容赦) (2017.5)