はじめに

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2017年2月6日月曜日

トセイのお話

トセイのお話 

トセイがつらいは柴又どまりとヨソのことなど知るものか

トセイのお話です。と言っても、寅さんの渡世ではなく、都政のお話です。
私は愛知県人です。78年間を超える人生の大半を愛知県民として生活しています。他県民であったのは、岩手県民が8年弱、神奈川県民が1年で、東京都民としての生活は3年間です。都民生活は短いだけでなく、学生だったこともあり、都に税金を払ったことはありません。それが都政の話をするなどは、大いに気がひけます。けしからぬことです。人様のことに金も出さずに口出しだけするなんぞは、謙虚な日本人としてあるまじきことです。僭越です。異議ありません。
では何故、都政か。気にもしていなかった都政に係わることが、近頃連日のようにTVに出てきます。ネンキンマンの暇つぶしになります。お話は暇つぶしの延長です。延長ですが、近頃評判の悪い残業ではありません。苦労はしますが、過労には至りません。御託を並べて、自己弁護怠りなくして話を進めることといたします。
ついでにもう一つ言い訳を先にしておきます。都政のことですが、小池知事さまには何の恨み辛みもありません。勿論既得権益なんぞには何のかかわりもありません。単にTVで観たことへの感想文です。恨み辛みはないのですが、好き嫌いはあります。TVの見過ぎの所為でしょうが、見あきてしまいその言動に嫌気がさしてきてしまいました。報道が悪いのです。
嫌いの始まりは、横文字言葉の羅列です。「便所は汚くトイレは綺麗か」論に基づいております。横文字言葉にウンザリしているうちに、言っていること、主張、論調に疑問を持ちました。都議選を控えて各種の焦点乃至は争点があるようですが、魚市場と五輪についての異論です。・・五輪などという言い方はいけません。素直でないからです。オリンピックと言えばいいじゃないか。お前の日本語偏重の方が気に入らない。その通りです。でも「便所は汚くトイレは綺麗か」論のてまえ、ここではオリンピックとは少し言いにくいような気もします。ド壺にはまった物言いになってしまっています。ご勘弁の程を。
さて、気に入らないということで、ケチをつけるのは都民ファースト、アスリートファーストです。都民第一、競技者第一と言えの「便所・・・」論ではなく、内容です。
一つは魚市場の移転についてです。
豊洲問題は都民ファーストの見地から待ったをかけました。あの市場というのは何で都が経営しているのか知りません。魚の売り買いなんぞは、極めて一般的な商行為です。それを民間でなく、都がやっています。公的にやらないと経営が成り立たないとすれば、これは漁業に関連する公的補助政策の一環なのでしょうか。築地に漁師がいるという話は聞きません。これで漁師の方が得るところというのはかなり桶屋論です。農業は土地の狭さからくる経営規模の零細さがあり、国民の食を守るという大義名分があります。それに引き換え、海岸線の長さ、領海、排他的経済水域の広さからは、日本漁業が左程ひ弱い環境にあるとは思えません。マグロ一本が億単位で落札などという、極めて資本主義的金万主義の驕りすら覚えます。そこへ都民が顔を出して、ファーストに位置するのは奇妙です。
魚市場は、基本的には都が経営する市場を関係業者が賃貸し、商売をする所だと認識しています。その使用料を頂いて、都が利益を得るべきものです。都の商売相手は業者です。業者が使うものです。市場を都民にしか使わせないのかどうかは知りません。直接的に関係するのは業者です。第一次のお客様は卸、仲買業者です。業者ファーストであるべきです。何かあると「国民の、市民の、都民の、私たちの税金を使って云々・・」という論が幅を利かせます。この場合も直接関与の薄い都民を引きづり出して論を張っていますが、本来の関与者である業者と話し合えばいいことです。業者とはロクすっぽ話もせず、都民という雲のようなものに話をしています。多くの都民はセカンドかサードに位置するお客に過ぎません。地方税を介しての資本的関与としても、都民個々人は零細株主であり、桐谷さん並でもA級には届きません。勿論、都の税金を使うのですから、最終的には都と都議会で決めることではあります。いきなり都民に主要守備位置を守らせるのは邪です。
基準の何倍かのベンゼンが検出され、シアンまで出てきました。ベンゼンなんぞはゼンゼン問題ありません。シアンは少しばかり思案のしどころです。駄洒落です。駄洒落に基づく論で、疫学論ではありません。無知蒙昧な輩のいい加減論です。しかし、そんなに間違っているとは思いません。以前に検出されなかったのは、なにがしかのインチキという考えがあります。そうかもしれません。臭い、くさい。芳香族だけにニオイがします。サンプリングから分析までの間に蒸発してしまったからという説もあります。万が一地下水から気化して売り物の魚についてしまっても、家に持って帰る道で蒸発してしまいます。もし影響があるとしても、消費者ではなく長時間気体にさらされる業者だけです。PM2.5に含まれる芳香族だけとっても、さらされ続ける北京市民、上海市民とは比較になりません。シアンは少し気になりますが、地下のことです。それも何年間続けて飲むには好いとか悪いとかの、日常生活を超越した数値です。その昔、「醤油を一合飲むと死ぬゲナ」という話を聞いたことがあります。もしかしたらそうかなァとは思いましたが、醤油を控えるというようなことはしませんでした。醤油の一滴よりかけ離れた数値です。
東京ガスが稼働していた時、ガス発生炉とその傍で働いていた人がいたはずです。その人達は何か発症したかです。勿論安全第一で、それなりの対策はしていたはずです。このところは、石炭ガスを都市ガスとして使ってないかもしれません。私が昔、働いていた製鉄会社では今現在、コークス炉が稼働しています。石炭を乾留してコークスとコークスガスをつくっています。地中にしみ込んだ物質の影響でと言われるような話は知りません。豊洲の場合、大半の汚染土壌は除去されています。検出されたベンゼンなどがゼンゼン、シアンする事もないという駄洒落は、全くそれらに知識が無くて言っているわけではありません。多少は鼻が効きます。
安全だけではなく安心も必要という論があります。都民の方々にとって、地震、交通事故、インフルエンザ、デング熱などに対する安心感より、魚市場の安心感の方が必要だなどというのは偽りです。煽りです。嫌がらせです。
次は五輪です。
五輪の会場、施設が高すぎるというので、開催場所の見直しをしました。全会場が原案通りという結果になりました。安くやった方が宜しいし、少しぐらい離れていてもいいと思います。その意味で、知事の努力に敬意を表するところです。結果が云々と言われていますが、結果として安くなったのは評価すべきです。じゃあ、かなり高い合格点を与えるのかというところです。与えます。そういう上から眼線での物言いです。そもそもはアスリートファーストなるカタカナ語に端を発します。カタカナ語で言うから、ケチをつけたくなる気になってしまいます。
会場や費用などいろいろやられましたが、何がアスリートファーストだったのでしょうか。いい環境で競技をやり、事後にもそれなりのレガシーを残し・・。
アスリートもファーストも、レガシーもいいでしょう。そもそも五輪というのはアスリートのためにあるとするのは正しいかです。アスリートファーストなどという言葉に乗っかってアスリートがやり易い施設をつくり、後々も使えるようにする。そのためにかかるお金をアスリートは気にしません。聞かれれば、高いですねえ位なことはいうでしょう。本音としては、お願いします、よろしく。なんせアスリートファーストですから。他のことは考えていません。
建設に絡む方達は商売ですから、折角ですからここは一番、いいものを是非。そう勧めたに違いありません。私なんぞでも、車を買う時などはかなりこの言に引っ張られました。家の時もそうでした。幸い、貧乏人水準が確定しているので、幾ら引っ張られても落ち着くところはそれなりでしかありません。五輪施設ともなれば、親方日の丸どころか五輪旗です。金の出所が、当事者ですら判らないほど沢山あるようです。
都知事はなんとか日の丸にまで費用を減らしたんだと思います。大いなる成果であると思います。ただケチをつけさせていただきます。知事がやったことはアスリートファーストという観点から言えば違います。
本当にアスリートファーストを標榜するならやるべきことがあります。変更すべきことがあります。会場ではなく、開催時期です。真夏の東京。炎天下で40Kmをひたすら走る人がいます。100Mを全力疾走する人がいます。拷問です。水攻めの是非を云々しているお国もありますが、こちらは日炙りです。日の本の国だからとは言いにくいところです。秋に変更すべきです。アメリカのプロスポーツの端境期を配慮し、TV放送の時間帯に合わせての結果だそうです。IOCの実入りを左右するからです。アスリートファーストではなくIOCファーストです。正すべきはIOCです。もともと五輪に興味は薄いのですが、IOCは気にいりません。嫌いです。招致演説を日本の総理大臣が英語でやりました。日本語でやるべきです。やった方もいけませんが、多分日本語でやったら指名してくれないのでしょう。彼らは国家より偉いのです。日の丸より五輪旗です。それをいいことにして、金儲けに勤しんでいます。気に入りません。この度のゴタゴタ劇に際しても、ご指導的立場をとっていました。ごたごたが解決できずに、返上という筋書きにでもなればと思ってしまいました。
トセイにはつらいことが一杯あると思います。男もつらいのです。

それでは小噺を一つ。

IOC

CNNがニュースを報じた。
「2017年11日某国でIOCの設立総会が開かれました。イギリス・キャメロン、ブラジル・ジウマ、ガンビア・ジャメ、韓国・パク、イタリア・レンツィが一堂に会しました。IOCInternational Off Clubの略称で、オリンピックとは何の関係もないようです。この倶楽部の発足に合わせて、ブッキング会社が次に会員になる候補者をノミネートし、そのオッズが発表されました。最高がキム、少し離れてトランプ、シュウ、プーチン、アベなどが並んでいます」
これに対して、トランプが早速ツイッターで噛みついた。
「またCNNか!嘘ニュースだ!何でキムが一番なんだ。情報が捏造されている。アメリカファーストだ!!俺様が一番に決まっている!」

(2017.2