はじめに

●●●

2014年5月6日火曜日


STAP細胞 

ホープでもスタップでコケ ジャンプはできず

 

私と同姓異名の方がSTAP細胞に関するもの書いた。それを見た人が、森にしては真っ当なことを書くものだと誤解したと評した。私にはこうイッタご批判に答える義務がある。義務を装ってでも、私のSTAP細胞論を書かなくてはなるまい。これを小噺にして、時間を延長してお送りします。

 

 

えー、相変わらず馬鹿馬鹿しいところを申し上げます。ゴールデンウィークだというので、世の中賑やかくなっているようでございます。こういうときは、時間はあるが金のない者は、じっとしているしかありません。暇を持て余しているところへ、いい塩梅に八五郎がやってまいりました。

八「こんちは。ご隠居、相変わらずお暇そうで」

隠「相変わらずお暇とは、御挨拶だナ。まぁ暇には違いない。お前さんは仕事をしているのだから、忙しいのじゃあないのか」

八「ゴールデンウィークてんで、世の中、皆さんお休みですヨ」

隠「あぁ暇か。さすれば、暇はあっても金が無くてどこへも行けないのだナ」

八「やだなぁ。図星でス。ご隠居だってアッチに輪をかけて暇あり金なしでしょう」

隠「お互い様だナ。それで暇つぶしにワシのところへやってきた」

八「いえ、暇つぶしだなんてめっそうもない。近頃テレビを見ていてもトンと判らないことが多いので、ここはひとつご隠居に嘘でも何か教えて頂きたいと、勉強ですヨ」

隠「嘘でもとはなんだ。まぁ勉強をしようというのは好い心がけだ」

八「いえね。この前ご隠居が言っていた長生きの出来る何やら細胞ってぇものが出来たという話。あれ嘘だ、インチキだっていうじゃありませんか」

隠「あぁ、スタップ細胞の事か」

八「ご隠居、別嬪に弱いから、すっかり騙されたんじゃあ」

隠「いや。そんなことはない。ワシァあれは出来とると思っとる」

八「それにしちゃぁ、エライ先生方が会見とかで、ごちゃごちゃ言ってますヨ」

隠「あの会見は気に入らん」

八「気に入らないとは何ですかね、あの話が判ったということで。アッチのような素人には言っていることがトンと判りませんでした」

隠「わしも素人だ。だがな、素人なりに思うところがある。オホン!」

八「オホン!ときましたネ」

隠「まぁ、聞きナ」

八「聞かせナ」

隠「あの会見は、早ぇ話、饅頭の話だと思えばいい」

八「あの餡子の入った饅頭のことで?」

隠「名付けてスタップ饅頭」

八「さぁいらっしゃい、旨いヨ、旨いヨ」

隠「緑豆入り饅頭だナ。まずコボカタさんがこの世で初めての餡子を作った」

八「餡子ですかィ?」

隠「それにワカヤマ先生が皮を被せた」

八「皮冠りで?」

隠「皮冠り?竿の話ではない。饅頭、饅頭の方だ」

八「あ、オスメス逆で?」

隠「お前さんは、すぐ下に流れるな。皮は饅頭をくるむ皮だ、竿を包む奴ではない」

八「すぐに判るなんぞは、ご隠居も下ネタ話が好きだナ」

隠「もういいよ。それは、それは旨そうな饅頭だった」

八「それを世界的新製品と言ったんで?」

隠「そう。餡子の中の緑色に光る豆が自慢のものでナ」

八「自慢の餡子で作った饅頭を、新製品ですと老舗の店へ持ち込んだのですネ」

隠「そう。一度はお前さんの作ったものなんか売れませんてんで、突っ返されたそうだ。そこで同じ饅頭にササイ先生が焼印を押して、それを持っていったら、店で置いてくれることになった」

八「ササイ先生ってのは、饅頭屋では名の通った方で?」

隠「そう、そりゃお偉い方だ」

八「その先生のお墨付きてえやつですね」

隠「そう。ブランド力があった方が世に出やすいが、科学の世界もそういうものらしい」

八「作り方が今までのものより簡単だとか?」

隠「そう。そこがミソらしいな」

八「餡子じゃなくて、ミソですか?」

隠「いや、餡子の作り方がミソらしいんじゃヨ」

八「判った。アンずるより産むがやすしって言いたいな」

隠「先回りするな。ところが、あの饅頭、餡子はそんなに珍しいものじゃあないって、噂が立ったんだ」

八「噂ってぇのは誰かが立てなきゃあ、世に広まらないでしょう?」

隠「そう。世の中足を引っ張る奴と手を差し伸べる奴、同じくらいは居るものだ」

八「あの娘の手を握る程度で好い、足まで触ろうとは思わない」

隠「馬鹿。お前さんに手を握れとか、足に触れなんぞは言っちゃあいない」

八「へ、へ」

隠「世の中、やきもち焼きは必ず居る」

八「やきもちですか、饅頭じゃあないんで?饅頭を焼いて餅にしようってぇのはインチキですヨ」

隠「まぁ、饅頭でも餅でもいいけどな。捏造騒ぎになっちまった」

八「製造じゃあなくて、ねつ造だとか。ハハァ、ミソをつけたんで」

隠「それがどうなのか、皆さんお偉方が会見でお話ししたという訳だ」

八「それそれ。で、どういうことに?」

隠「ワカヤマ先生は皮を作っただけだから、中身の事は知らないと言うし、ササイ先生は焼印を押しただけでと言い張ったナ」

八「じゃぁ、あの饅頭は新製品じゃあないんですね?」

隠「皆さん違うとは言ってない。知らないと言っているだけだ」

八「でも、オボカタさんは本物だ、新製品だと言ってますよ」

隠「そりゃ本物サ」

八「どうして?」

隠「ありゃ嘘をつく顔じゃあない」

八「顔ですか?」

隠「そう」

八「別嬪さんだからですか?」

隠「そう。美人ツクメイって言うじゃないか」

八「ツクメイ? それを言うなら美人ハクメイじゃあ。でも頑張っていますヨ」

隠「皆さん、ケチがついたら、キンチョールのせいにして、おら知らネーを決め込んでいる。頑張れ、頑張れだ」

八「キンチョール?古いなぁ。でも、もしインチキだったらどうします」

隠「誰が?」

八「ご隠居」

隠「ワシか?インチキならすぐに辞表を出す」

八「何処へ?」

隠「お前さんに」

八「アッチに出されてもしょうがありません」

隠「受理してもらえないか?じゃぁ、取り下げる」

八「軽いねぇ。でもインチキだとすると、いまさら頑張ったって、どうなるものでもないでしょう。誰かが、コボカタさんは儲かるのですか?200個も作っちまったそうじゃあないですか。腐りますヨ」

隠「八っあん、お前さんの言うとおり。誰かが儲かるのだよ」

八「やっぱり!」

隠「何せ、リケンがらみの話だ・・・」

八「・・・・・?」

テケテンテンテンテン・・・お後がよろしいようで・・

(2014.5)