はじめに

●●●

2018年11月6日火曜日

老舗繁盛店


老舗繁盛店

 いにしへより丸よのウナギも風次第

けふここまでもにほひぬるかな



先月号でこの界隈のお店が、後継者不足で閉店している有様を書いた。町内の繁栄を望むものの一人として、引き続き後継者を得て長年繁盛している店について紹介する。100年はおろか200年近く営まれている店がある。

我が家の東隣に食堂三楽がある。食堂という名前が一番合っているお店だ。昼と夕方、大方満員になる。車で来る人が多いようだ。中には食堂にはやや不似合いなベンツで来る人もある。定食が主体だ。店にお邪魔することも時にあるが、隣近所だけは出前をしてくれるのでお願いすることの方が多い。食堂と名乗るからには大本命のご飯が美味しく無くてはいけない。これが素晴らしく上手い。定食として私が一番気に入っているのはロースカツだ。カツだから肉が美味いのは当然として、衣の旨さが類を見ない。スーパーなどで売っているカツは、衣の下に厚手の下着を着けている。この食感はいけない。三楽のカツの衣は薄く、味がいい。

この店には爺ちゃん婆ちゃんが存命の頃からお世話になってきた。爺ちゃんは空になった一斗缶を加工して七輪もどきを作ってくれ、ゴミ焼きに使ったりした。婆ちゃんは、家の者には内緒だよと言いながら、もらい物のお菓子などを運んできたりしたこともある。爺ちゃん婆ちゃんは亡くなってしまった。今はご主人夫婦に息子のアッ君が店をやっている。そのアッ君の子供達が外で遊ぶ。実は反対側の西隣の家族にも小さな子供達が居る。老令化が進む町内では珍しく我が家は子供達に囲まれている。アッ君がまだ何十年はやれるから、その間に今遊んでいる子達がその気になって継いでくれればト、期待が持てる。

通りを越えて曲がったところに大正軒という団子屋がある。「創業明治9年」と垂れ幕にしたためてある。もう一つ垂れ幕には「創業140年」とある。きちんと計算すれば140年を超えているが、毎年更新しても仕方が無いから、140年を迎えたところでそのままになっているのだろう。奇妙な感じがしないでは無い。創業と店名の関係である。明治に創業したとき次の年号の大正をどうして称することが出来たのだろうか。

ここは団子屋だ。ここの団子焼き器は特許権を取得していた。珍しいことだと思う。先代の爺ちゃんがとった自慢の特許だ。何がどの部分が特許の範囲かということは知らないが、団子を連続して焼くことを特徴とする団子製造法に関してのものだ。入り側で串に刺した団子をセットする。団子はチェーンで運ばれて進み、串をつかまれて焼かれタレに浸されてもう一度炙られて仕上がる。従業員が直接火に炙られたりして熱い思いをしなくて好い。店内でお茶を飲みながらだと、この焼きたて団子が食べられる。ただ、機械が休止しているときには、団子2本頂戴とは言いかねる。2本だけがその工程をくぐり抜けることになり迷惑だ。

何台分かの駐車場があるが満車になっていることが多い。時には路上駐車が出るくらいの繁盛である。団子屋ではあるが、おこわのお握りその他のお菓子も売っている。滅多に間食などを私はしないからほとんどご縁が無い。賑わっているなぁと横目で見る程度である。実は昨年まではこの店のおこわお握りを食べていた。町内会が敬老の日に高齢者に記念品?お祝い品?なのか引換券を配っていた。その中に大正軒の券があって、おこわを頂いていたのだ。それが今年から来なくなった。町内会員減少で財政難に陥り、冗費削減の一つとしておこわ配りを無くしたらしい。このところ高齢者への配り物が廃止されている市は市電の無料回数券を止めた。動物園、美術館、など市の設備への無料入場制度も廃止した。

札木通りを挟んで、大正軒のはす向かいにきく宗がある。豊橋名物の菜めし田楽の老舗である。なんと文政年間の創業を誇っている。文政年間ともなれば将軍は家斉様で200年近く前のことである。菜めし田楽とは名の通り、大根と思われる菜っ葉を刻んで入れたご飯と固めの豆腐を串刺しにして炙り、味噌を塗った田楽である。他にイチゴなどデザートがつく。貧乏人には結構な金を出して食べるのが少しばかりはばかれる思いのする代物だ。しかし、年金生活者ばかりで世の中出来ているわけでは無い。店の前には駐車場があって、バスが何台も止まれるようになっている。観光バスを仕立てて大勢の客が訪れ賑わっている。世襲の経営者だった人が調理人になって、伝統の味が保持されているという話があるが、理由は定かでは無い。長い伝統を保持するためにはいろいろあるということのようだ。

札木通りを東に行くと若松園という和菓子屋がある。私は滅多に間食の類いをしないと前述したが、ここのゆたかおこしは好きだ。雷おこしのようなパリッとしたものではなく柔らかい。細かい粉で出来ており、香煎風味である。うたい文句が凄い。昭和天皇ご即位献上菓子である。献上されたゆたかおこしを昭和天皇が食されたかどうかは、恐れ多く思ってか書いてない。私の味覚をもとにして、天皇も満足されたと思いたい。ここは創業が嘉永年間である。嘉永と言えば、ぺりーさんがやってくるなど、太平の夜が明けようとしていた時代である。創業者の意地がかなりのものであったと思われる。すぐに文明開化が訪れ、和物より洋物に移りゆく時代に棹さして和菓子を作りはじめ、売り続けたのだ。

若松園の筋向かい、札木通りを挟んで丸よがある。ウナギ屋である。創業100余年である。古さから言えばきく宗、若松園、大正軒の後塵を拝するのかもしれない。ここの宣伝文句が好い。ベッピンという言葉の発祥だとしている。うちのウナギは美味いぞというのを、うちのウナギは別品だと。この別品が女性に繋がり、すこぶるつきいい女をベッピンと称し、別嬪となったとか。ベッピンという言葉は時に私も使わせて頂いている。土用の丑の日に食せと平賀源内が唱えたとか、ウナギに関するお噺もある。ウナギだけに捕まえどころの無い話なのかもしれない。国語に影響したというのはウナギの品位を高めていて、いい話だ。

このウナギ屋、丸よには別品以外でもお世話になっている。このところ稚魚の不漁によってウナギは大層高い食べ物になってしまった。私如きが頻繁に食するものでは無い。それにもかかわらず、丸よのお世話とは何だ。理由は簡単だ。風向きなのか、繁盛して焼いている量が多いときなのか、その両者なのか。あの匂いが時として漂ってくる。魚を焼く匂いは不快に感じることがままあるが、ウナギを焼く匂いは当たり外れが無い。別品だ。



では小噺を一つ。



プチ自慢 



トランプがジョンウン宅を訪れた。

ト「おう、ジョン!元気そうだな」

ジョ「おや、こりゃぁ珍しい。トラさんじゃあないですか。お久しぶりです」

ト「少しばかり機関の手を借りたが、こうしてお前の住処まで辿り着いた」

ジョ「そりゃぁそりゃぁ、ご苦労様です。大変だったでしょう」

ト「歴代の米大統領がなしえなかったことを俺はやった」

ジョ「たいしたもので。ところで手助けした機関というのは?」

ト「あぁ、斬首作戦を立てている軍などさ」

ジョ「若しかしてその斬首の相手は私のことではありませんか?」

ト「ウン?ソ、その通り。ジョン。年貢の納め時だぞ」

ジョ「恐れ入りました。でもねぇ、トラさん。我が国が得意とする拉致や、身代金作戦を知っているでしょう」

ト「ウン。シンゾウから何度も聞かされている」

ジョ「まあ、ごゆっくりくつろいでいて下さい。その間に制裁の解除と、出来れば身代金を請求してみます。カムサンニダ!」 (2018.11

2018年10月6日土曜日

閉店


閉店



先祖代々永らえて栄えし者の誇りでも

のれんで手を拭く足も拭く



この八月末に篠嶋屋が閉店した。篠嶋屋というのはこの界隈では結構名の通った老舗のうどん屋である。閉店の理由は、近頃はやりの後継者難のようだ。七月末頃に「都合により暫く休業させていただきます。・・・・店主」の張り紙がしてあった。それが八月半ばになって「永年ご愛顧いただき・・・八月三十一日をもちまして閉店させて・・・・店主」に代わっていた。

「エビくずし、みそ煮込み」と大書された看板が寂しげである。

この店で私が一番だと思っていたのは「にかけうどん」である。「にかけ」なる物はあまり他所では聞かないが、世に言うところの「かけうどん」に毛が生えた程度の代物である。刻んだネギと油揚げ、それに二枚ほどのかまぼこが入っているだけだ。世の中、贅沢になってきたのと、店としても客単価を上げないと経営が成り立たない。安い「にかけ」から世の流れに対応して「エビくずし・・」を正面に出してきていたのだ。

近頃あまりお邪魔したことはなかったが、ほどほどに繁盛しているようだった。

店の前を通ると鰹節の出汁の匂いがし、「にかけ」の味を呼び起こした。店内はそれほど広くはない。混み合っていると「相席でお願いします」と空いている席に詰め込まれた。運ばれてきた「にかけ」の丼は下がテーブルに触れる前に手から離れ、若干のバウンドをしながら着地する。それでいて汁が飛び跳ねることはないという離れ業がしばしば披露されるほどに混み合っていた。このところは、そういった離れ業は見られないようだから、少し客数も減っていたのかもしれない。

「あっちが痛くなり、こっちが痛くなりで・・そろそろ」という話は聞き及んでいた。

きょうだいで店は運営されていた。年格好も似たようなものだ。身体的に「あっちが痛くなり、・・」は全員が似たような時に起こり始める。後継者がいない理由は定かではないが、いないのだ。仕切役がちょっと体調を崩した。残った人達だけでは店は開けない。治るまで暫く休んで様子を見よう。時が経っても体調が回復しなかったのか、もう止めようという結論に至ったようだ。休業から閉店へと変わったお知らせが、この間の何とかしようという気持ちと、やはりいけないと言う揺れが表れている様に思われる。

この篠嶋屋から道路を隔てて少し行ったところに清和園という中華料理屋があった。小さな、言い方は悪いが、小汚い店だった。あったとか、だったと言っているように、今現在は「貸物件・・×××不動産」と書かれた看板が入り口に張ってある。

この店に似合ったおじさんが一人で取り仕切っていたから、跡継ぎがいなかったのであろうことは容易に想像がつく。この店の大家さんが少し前に遺産相続で変わった。大家さんには後継者がいた。その際に、辞めるまでは引き続いて同じ条件で使うことで合意した。辞めるまでというのは、本人が辞めるということで、誰かが引き継ぐと言う場合が含まれていない。後継者がいないことを双方が認識しての合意だ。その話を聞き知っていたので、しばらくは店を続けるものと思っていた。

もう一年以上前のことになる。市電を降りて札木通りと言われる道を歩いて行くと、夜十時過ぎなのに清和園の前の歩道に20人あまりが座り込んだり、並んだりしていた。JRや名鉄を利用するとき豊橋駅への往復は徒歩だ。その日はたまたま、駅から札木の電停まで市電を利用した。この時刻、この界隈に人がいるのは珍しい。大人だけではなく子供も何人かいた。彼らをよけるために車道を歩いた。歩きながら聞こえてきた言葉が日本語ではないようだった。これはいいことだ。この札木通りを少し進むとキンシーズというホテルがある。このホテルは中国人観光客が利用している。彼らが夜食を食べに来ているに違いない。毎日観光バスが何台も止まっている。これはいい客をつかんだものだ。清和園は安泰だ。

明くる日の新聞を見て、この認識が間違っていることが判った。三河版に「清和園が昨日をもって閉店した。閉店を惜しむ客が大勢来店し夜半まで最後の・・・」という記事が写真付きで載っていた。惜しむ客は中国人ではない。日本人だ。安泰であろうはずはない。聞こえてきた声は日本語だった。薄暗い道路上で人々の姿形は見えにくい。眼は疎くなり人の見分けが付きにくくなっている。当時、まだ自覚症状はなかったが、今にして思えばこの頃から耳も不調になってきていたのかもしれない。話している声が聞き取れなかったのを、中国語としてしまっていたのだ。

清和園の安泰に期待を込めたキンシーズも、実は後継者不足を再度経験して今日のキンシーズに至っている。キンシーズは我が家の向かいにあるホテルだ。

ここの前身はフレスノというホテル兼レストランだった。利用客は結構多かった。ホテルには用がないが、レストランは時々利用させて貰った。ホテルはビジネスホテルであり、レストランもほどほどの程度の物ではあった。私たちが利用するのに相応しかった。料理長と時々道端で顔を合わせ、世間話をした。何やらいう野菜の茎を加工した漬物を頂いたこともチョクチョクあった。ここの経営者は市内にいくつかのレストランなどを持って、幅広い経営をしていた。ところが突然ご主人が亡くなり、奥さんが引き継いだ。幅広く商売をしていたのが徒となったのか、奥さんを手助けする人もいなかったらしく、4年ほど前にすべてを手放し、フレスノも閉店してしまった。

このフレスノには前があった。福月という割烹旅館だった。白壁の塀を巡らせた店で、私風情がお世話になる雰囲気の店ではなかった。もう20年以上前、前世紀のことだが、やはり後継者がいなくて売りに出されフレスノの手に渡った。白壁は取り払われ8階建てのビルが建てられて、ビジネスホテルとなった。

福月、フレスノともに後継者不足が引き金となって閉店している。結構規模が大きくても家族経営だと後継者についてはどうにもならないようだ。

後継者不足による閉店がジンクスになりそうな感もあるが、キンシーズは株式会社だから大丈夫だと思われる。

キンシーズ開業にあたり責任者の方が近所に説明して廻った。建物本体はそのままで、内部の改装のみをしてホテルとして使う。主たるお客は中国人観光客である。一般客も扱わないわけではない。

オイ、オイ、オイ!

当時から中国人の行動については聞き知るところとなっていた。処嫌わず、大声でしゃべる。痰唾を吐く。ゴミを捨てる。とんでもないところで、放尿はおろかウンコもする。数限りない悪行三昧。

率直に質問をした。管理者の曰く、保証することは出来ないが大丈夫です。彼らはここには一泊するだけです。夜遅くバスで到着して朝早く次の目的地に出発します。

営業が始まって2年ぐらいになるが、心配していたような現象は起きていない。確かに彼らは夜遅く着いて朝8時頃には発っていく。毎朝彼らに出くわす。大声も痰唾も目にしない。結構若者が多く、スーツケースを引いて三々五々バスに乗っている。時には「オハヨゴザマス」など挨拶をする人もいる。出発準備中のバスの運転手に聞いてみた。やはり彼らは東西、中部の空港から直接ここへ来たり、東京周辺、京大阪見物をしたりして夜半に来て一泊し、次の目的地に行くとのことだ。このお行儀なら、爆買いとは行かないまでも、是非近隣諸店をご利用頂き、いくらかでも衰退都市の活性化に寄与してほしい。そんな勝手な思いを抱き始めていたので、清和園閉店の時彼らが夜食に利用していると思い込んでしまった次第だ。

台風21号で関西空港がやられてから1週間ばかりはバスの台数はかなり落ち込んだ。今は元に戻っているように思われる。

中国人も少子化で人口減少が懸念されているが、日本旅行を満喫し是非訪日後継者を育ててほしいものだ。そちらの後継者不足での閉店に追い込まれることは何とか無いように。



では小噺を一つ



優位性



中国の学校で授業が行われていた。

中国の制度が優秀であり、共産党の指導を受けた人民もいかに優れていて富んでいるかという愛国教育をしていた。

先生「ここで、以前は我が国の前をいっているとされた日本の実情についてお話しします」

生徒「日本へ旅行した人達は、日本は親切できれいな国だと行っていました」

先生「それは外面的な話です。内情は厳しく酷いものです。先日二ヶ月近く行方不明になっていた脱走犯が捕まりました。万引きで見つかったそうです」

生徒「知りません」

先生「居なくなった時は日本中が顔とヒダ ジュンヤの名前を知り、有名でした。捕まった時には、やっと思い出すほどに忘れさられていました。人民の一人が行方不明になっても、国が探し出せないのです。国の制度が劣悪で、政府も人民も冷たい、情けない国家です」

生徒「先生!我が国でもファン ビンビンさんが何ヶ月も行方が判らないということを聞きましたが?」

先生「ファン ビンビンさん?女優の?」

生徒「はい!」

先生「それはデマです。我が国を中傷するために作られた、悪質なデマです。人民の一人一人を大切にする我が国政府、公安は彼女の消息を完全に掌握しています。・・・ほら!脱税で追徴課税が課されるというニュースがありました!」

生徒「好!素晴らしい!」

先生「好いですか。彼女の課された追徴金は8.8億元です。日本のヒダが捕まったときの万引き額は8元にも満たない額です」

生徒「・・・!・・・・!」

先生「行方不明者の話一つをとっても、我が国の制度が優れ、人民がいかに富んでいるか判ります」

2018106

2018年9月6日木曜日

働き方


働き方



過労死など及びもつかぬ働きで

生き延びついでにまだ生きる



「働かなく」なってもう二十年近くになる。くたばって「動かなく」なるまでにあと何年か、何ヶ月かはよく判らない。気になるのは「動かなく」なる前に「動けなく」なるだろうと予測されることだ。なろうことなら「動けなく」なると「動かなく」なるの間が極小であってほしいものだ。

「過労死」とか「過労」から来る心労で自死にいたる人が多発してたりして、何とかしなくてはと「働き方改革」なる法案が出された。「働き方改革」には全く無関係の立場であるが、少しばかり気になる点がある。



月の残業時間が100時間を越えると健康に関わる影響が出る。酷くなると発病、果ては過労死にいたる。時には過労死が自死であることも結構あるようだ。

「働かなく」なって時間がたっているので実感がなくなっているが、働き過ぎてあんばいが悪くなったというような記憶は無い。100時間の残業というのは、週40時間の労働を基準にして、休日労働なしとすると、毎日5時間弱の残業だ。毎日朝の8時から夜の9時くらいまで働く勘定になる。毎日では、これはきついと感じる。毎日の晩飯が10時過ぎは勘弁してほしい。ただ、嘗ては週休1日だったから、週48時間労働が基本だった。これだと毎日2時間半残業することになる。夜6時半までだ。これだと感覚的には耐えられそうな感じがしないでもない。過労死という言葉には繋がらない様な気もする。

残業が100時間を超すのが常態化しているような会社は、ブラック何とかと言われているくらいだから、100時間という時間は表現的数字で、実際にはもっと厳しい労働を強いていたのではなかろうか。100と言う数字は多いという表現で使っているのではないか。法律で使う以上厳密でなくてはと思うが、この法律の背景にある調査の基本数字が実にいい加減なものだとバレている。裁量労働制の対象者の比較でのサンプル数の少なさ、調査方法のいい加減さを考えると、100時間は多いという意味、百花繚乱、百聞は一見、百の説教、百薬の長等と同意語として使っている。歌心のあるエリート官僚の自慢の表現であろう。

この法案で初めて知って驚いたことがある。

建設業と自動車運送業それに医師には時間外労働の限度時間がないという。

私が一時お給金を頂いていた会社は建設業だった。そのときはバブルの最盛期で人手不足の最中であった。多くの労務担当者が全国規模で人集めに奔走していた。36協定に直接関わって手続きをした覚えはないが、頻繁に見聞きした身近な法律条文だ。それからすると、建設業が埒外というのが理解できない。尤も、私が携わっていた業務は建設ではなく、製造、生産関係だから埒内だったのかもしれない。

建設業界と並んで自動車運送業が限度時間なしとはいったいどういうことか。この二つの業界は労働環境上でブラックというイメージが強く感じられる。とりわけ運送業は、過労運転による事故が多発した実績を踏まえると、規制がないというのは信じられない。この世界では、居眠り、勘違い、果ては病気発作など長時間労働に伴うトラブルが目に見えている。そこが制限なしとは、過重労働のなんたるかの基本を無視している。事故を起こしたバス会社はきついお取り調べを受けている。この辺りの脈略はどうなっているのか。

医者の不養生と言う言葉があるが、人の命、健康に携わる医師当人は適当で好いということらしい。手術など長時間に及ぶものがある。人の命を預かる職業の人が、法律的保護を受けられないというのは如何なものか。開業医は自営業なので労働時間規制から外れるのは当然である。しかし、開業医の診療時間のなんと長いことか。一枚や二枚は持っているでしょうから、一度手元の診察券を見ていただきたい。私の手元にある診察券の1枚は診療時間がAM7301200 PM330700となっている。週に幾日か飛び飛びで半ドンがあるが、週休1日だ。おまけに1200700では絶対に終わらない。診察終了時刻が過ぎても待合室に何人かいることがほとんどだ。実体験しているから間違いない。この開業医の勤務状況が基本になっているのかもしれないが、大病院、公的病院の医師の勤務時間が無制限というのは好いのかなぁと思う。医師は体と心の仕様が他の人と全く違っているのかもしれない。このたびの法律でも建設業と運送業は猶予期間を設けて、規制適用をするとなっているが、医師はこれから検討会を開くことになっている。これから検討ということは官僚用語では何もしないと言うことのようだ。可哀相というか・・・。それでも裏口を使っても、点数の水増しを図ってでも、医師を目指すないしは目指させる人もいるのだから可哀相ではないのかもしれない。

研究開発職なるものは規制を外すという。研究開発職なるものがどういう定義か分からないが、今や最先端を行く職業であるIT,AI関係者なのだろうか。そうだとするといささか合点がいかないでもない。実際の業務内容は知らないが、PCに向かって一人ひたすらの形で取り組む姿が思い浮かぶ。わざわざ会社などの施設に赴かなくても出来る仕事だと管理が難しかろう。

古びた頭で思い浮かぶ研究開発職は、大学など機関で、研究開発に取り組んでいる人達である。このところ日本の研究論文の引用件数が大幅に少なくなっているという。引用されないと言うことは、世界で、類似研究に携わっている人達が日本の研究開発を振り向かなくなっている、関心を持とうとしないということのようだ。研究開発に携わる人達は、仕事を他人に強制されることも少ないだろうし、時間を気にすることもないだろう。もし命に関わるほど頑張ってしまっても、よしとするであろう。それを好いことにして規制から外しているなどとは言い掛かりかもしれない。

日本の科学を維持振興するためには国が時間規制等しない方がいい。国がやるべきは、この人達の待遇をもっとよくし、研究予算をつけることだ。二番でなくて一番でなくてはいけない。一つ気になるのは、研究開発に携わる人の周囲を固めている人々がいることだ。その人達まで一括りにすると拙いことになる。



有給休暇の消化を企業に義務づけている。賛成の上で、提案がある。

この義務、企業にだけ課すのではなく、労働者にも課すべきだ。年次有給休暇の取得が未達の場合、日数分の給与を罰金として召し上げる。召し上げられては困る。現役の頃毎年年休はかなりの日数流していた。少し長く有給休暇を取ると周囲の人に負荷がかかったり、業務に遅延が生ずることを気にしてのことだ。義務化されればこの遠慮は取り除かれる。

ブラジルで働いていたことがある。有給休暇の取得は義務だった。年間1ヶ月だった。それも一括取得である。下位の職種の希望者のみに二分割が認められていた。義務は私も同じであった。3年ほどいて3回、義務を果たすために日本へ帰ることができた。一括取得が義務付けられているのには理由がある。不正防止対策である。年に一度、他人が業務を行うことで、何らかの異常を見つける手法、対策としている。不正防止である。性悪説である。このところいろいろ物議を醸している高級官僚の方々、何やら協会幹部に長期有給休暇義務を課しては如何かと思う。



裁量労働制とか高度プロフェッショナル制というのはどうも意味が分からない。煎じ詰めれば、固定給で好きなように働いて、又は働かせて好いということなのか。現役の頃これに似た働き方をしていた。管理職になると好きなように働いて好いとはいわれないが、好きなように働かしてもいい?制度だった。要するに残業手当なしだった。本人の同意なども必要ではない。労働基準法の遵守については結構うるさい会社だった。こういうことで法律違反をすることはないと思う。当時から、週に40時間を越えて働いても残業手当なしで法律違反でなかった。さすれば単に社内規定ですむことではないか。今更、殊更に法律化しなくても好いのではないのではと思う次第だ。何か違っているのだろうか。



「働き方改革」で提案がある。

少子高齢化に伴い、大幅に労働人口が減少している。対策として、憲法に定める「勤労の義務」を法律でもって明確化する。現在年金生活している老人にも一定の就業義務を課す。病気、障害などで就業できない者には「就業免除手帳」を交付する。必要ならば、職安が仕事の斡旋を行う。就業した者には時間当り一定の税金を免除する。失業率が一定以上になった地域には適用しない。

提案理由;私は長年勤労の義務を果たさず憲法違反をしている。別にお縄になったり罰金を取られるわけではないから、裁判所的には違憲状態と言うべきかもしれない。近所の高齢者のほとんどは、何らかの仕事をしている。結構楽しそうだ。私を合憲状態にするには、強制力が働かないと無理だ。多分、いやいやながらと働き出せば、楽しんで仕事をやりそうな気がするのだ。極めて独りよがりな提案である。「動かなく」なる直前に「働く」などは口先だけだ。口減らしの対象になってしまうかもしれない。



では小噺を一つ



くしゃみ3回・・



残業が100時間を越えた研究開発者が法律に基づいて医師の診断を受けた。

医師「各種検査の結果、一部異常値が検出されました。来月からは、決して100時間を超えないようにしてください。ゴホン、ガハン・・・」

研究「わかりました。先生、何か具合が悪そうですが?」

医師「あぁ、ゴホン、ガバゴボゲベ・・。貴方たち研究開発者は法律で守られていますが、私たち医者には何の規制もありません。今月も軽く100時間を越えて残業しております」

研究「先ほどからしんどそうですが、大丈夫ですか。国は何にもしないのですか?」

医師「何もしません。なんせ放置国家ですから。ゴホ・・」

研究「具合が悪くなったり、死にでもしてもイシャ料も取れない」

医師「ゴホン、ガバゴボゲベ。貴方のダジャレで寒気がしてきた。ハクション、ハクション、・・・ハクション!」

研究「あ、先生。先生は風邪を引いているだけです。風邪薬を3錠飲んでお休み下さい」 (2018.9)

2018年8月6日月曜日

じじぃ解説


じじぃ解説


熱中症 クーラー漬けの冷房病 

睡眠不足か 昼寝のしすぎ 食中毒か食い過ぎか

 何の因果か すぐ疲れ



FNNFake News Network)が北京で行われた朝鮮統一記念式典について伝えていました。意表を突く報道に、各国、各界が戸惑いの色を隠せません。そこで、当NHK(日本ホンマデッカ協会)では、引退して時間はたっていますが、著名な解説者である池カレ彰ラレ氏をお招きし、お話を伺うことといたしました。

N「突然の報道ですが、如何でしょうか?」

I 「私も驚いています。しかし全く予測していなかったわけではありません」

N「半島の統一がなされたことだけでも驚きですが、式典が北京でなされたということも意外ですが如何でしょうか?」

I 「そうですね。まず統一が誰によってなされたかです」

N「南北のどちらかという意味ですね?」

I 「もちろん、南北ですが、式典会場を考えると中国を念頭に置かないといけません」

N「主体は中国ですか!?」

I 「一番当を得ていると思われるのは、半島が中国によって支配され統一されたと考えることですが、北による統一の可能性も決して低くは無いと思います」

N「北がですか?」

I 「建国以来培ってきた実力を思い浮かべて下さい。主体性を維持、確保するためにあらゆる手段を駆使してきました。小さな国の生き残りの見本です」

N「まさかミサイルや核兵器を使ったのでは?」

I 「それはあり得ません。音も臭いも漂ってきていません。極めて静かに統一したのです。後になってその方法が明かされるでしょう」

N「・・本当は知らない、判らない?・・・のでは」

I 「・・・・・・・・・・」

N「ではどうして北京で式典が行われたのですか?」

I 「北は米朝会談でシンガポールへ行く飛行機を提供させるくらいです。顎足つきに慣れています。統一を果たして式典を行うに当り、当然のこととして天安門広場を提供させたのです。どうしてこの手の要求がまかり通るかは、何十年か後の情報公開でも待たないと判りかねます。半島は北によって統一され、大国は金一族の言いなりで各種便宜を図る癖と言うか、弱点を握られ続けていると言うことです。私も驚いています」

N「平壌でやればいいのではありませんか?」

I 「その通りです。でも平壌でやって、費用を持てでは出す方も出しにくいでしょう。考えていますよ」

N「両国の力関係から見て、中国が北の言いなりになるというのは、いささか納得がいきませんが」

I 「好いご指摘です。弱点を握られ金を出させられるのは、むしろ日本に可能性を見出せます」

N「判らなくなってきました」

I 「中国が北の言うなりになるというのが具合悪ければ、もう一つの解があります。何せ北はカネがありません。統一はしたものの式典までは出来ず、半島の一部租借を担保に広場の使用その他の経費を中国から借りたのです。北が中国の要人の弱みを握っているというよりは、こちらの方が考えやすいと思います」

N「金が無い、金が無いと強調されますが、統一したのだから、韓国の持っていた金を使えばいいのではありませんか?」

I 「韓国の誰がお金を持っていたかです」

N「国では?」

I 「もちろんなにがしのものは持っていました。しかし、大部分は財閥が持っていました。ご存じの通り、韓国経済は完璧なまでに財閥が握っていました。統一の機運を感じた彼らはいち早く逃げ出し、今は安全圏にいます」

N「もぬけの殻で?」

I 「仰るとおりです。北は気付いていても手が打てなかったのかもしれません。これについては南が財閥の弊害対策として財閥解体を進め、財閥が先見性を持ち、一気に逃散をしてしまったということもあります。このことで国力を落とし、結果として北に牛耳られてしまったのです」

N「それこそが北による統一に繋がったのですね?」

I 「それだけなのか、他にもあるのか総合的に見ないといけません。それにしても、式典の金を、国土を担保にしてまで工面しなくてはならない国が、どうやって統一にいたる手段を得たのか大いに疑問です。疑問はありますが、統一式典をやるくらいですから、極めて巧妙な創意工夫、ないしは謀略が功を奏したこと思われます。それが当該国によるものか、資金提供国によるものかということも興味が持たれるところです。式典会場は中国が表に出てくる意思表示かもしれません」

N「中国とか北による統一を言われていますが、韓国による統一は考えられないのでしょうか?」

I 「友好国の韓国によって統一が果たされたのなら、我が国にとっても歓迎すべきことです。残念ながら、中国の存在を考えると、韓国による統一はなかなか考えられません。おまけに式典が北京と言うことを考えると、難しいとしか言い様がありません。万が一韓国が統一したとすれば、天安門の使用は中国への擦り寄りでしかありません。中国のメンツを立てるために、広場を使わせて貰ったのです。統一を認めて貰う必要のある国は中国です。中国のメンツを立てると同時にその後のお付き合いを穏当に、無事に進めるために、丁重なるご挨拶が必要です。

『このたび隣へ引っ越してきたものでございます。以後お見知りおきの上、お引き立ての程をよろしくお願い申し上げます。つきましては、・・・』

カネを包んで出したりすると、賄賂視され虎か蠅が犠牲になることも考えられます。そこで広場の使用料名義で大枚を挨拶料として差し出すことになります」

N「解説を聞いていても、どうなり、どうなっていくか判らないのですが?」

I「世界は統一を喜び祝賀いているのではありませんか?!ここで難しい顔をしたり、異を唱えたりしようものならたちまち蚊帳の外に置かれます。ゴホ、ゴホ・・、ハックション、ハハハ、ハクッショーん」

N「蚊帳の外で風邪ですか?・・大丈夫ですか?」

I「・・・・・・、ダ、大丈夫です。ごめんなさい。失礼しました」

N「どうなさいました?」

I 「このところいささか頭は痛いは、手足は痺れるはで、熱中症かと思いました。勧められるまま、クーラーかっけっぱなしの、つかりっぱなしを決めていました。思えば熱中症などでは無く、冷房病ではなかろうかと」

N「老人性心身症ではありませんか?」

I 「難しい病名ですね。難しいことは止めましょう。素直に考えれば、単なる夏風邪です。統一も中国がと考えるのが一番素直です」



じじぃ解説

(これは先月号の小噺「朝鮮統一記念式典」への数少ない人からの質問に対する回答、解説です。納得のいかない方は・・・・以下省略・・)

201886


2018年6月6日水曜日

米朝噺


米朝噺


風の吹きよとお日様次第 

着たり脱いだり失調症



地球温暖化などと申しますが、今年は早くから暖かくなったと思っていましたら、急に冷えたりして困ったものです。一度片付けたコタツを出したのはいいのですが、仕舞うに仕舞えずこたつの脇で隠居が居眠りをしておりました。

八「こんちわ!」

隠「・・・・・」

八「こんちわ!こたつの外で居眠りですかい」

隠「・・おぉ、八っあんかい。まぁ、こたつに入んな・・・」

八「すっかり暖かいのに、こたつはないでしょう。お目覚めで?」

隠「そうだな。このところ暖かいやら寒いやら、訳が判らんよ!」

八「判らないと言やあ、こないだまで核だのミサイルだのと騒いでいたお隣が、すっかり仲良くなって結構ですね。米朝の会談が行われるとかで」

隠「うん」

八「太陽の所為だとか?」

隠「太陽政策のことかい?・・・・・」

八「そう!マントの脱がせっこで、北風が吹くとマントの襟を縮め、太陽が照らすと暖かくなって脱ぐという西洋のお話どおりだということで、・・」

隠「世の中暖かいに越したことはない」

八「手のひらだけじゃあなくて、心に太陽を!・・・」

隠「偉い!流石、八っあん・・・・・」

八「へへへへ・・。太陽政策のおかげで平和に・・」

隠「・・・・・褒めといてすまんけど、北風と太陽の話には続きがるってぇことを知っているかい?」

八「続き?」

隠「そう。負けた北風が悔しい!てんで、再試合を申し込んだ」

八「再試合?」

隠「そう。マントで負けたが、帽子なら負けないぞ、ってんで」

八「それで、どうなった?」

隠「今度は太陽が先攻で、旅人を照らし続けた。旅人は眩しさと熱中症対策で帽子をとろうなんぞは思いもしなかった」

八「後攻は北風だ!大体がこの手の試合は後攻が有利だ」

隠「そう。八っあんもすっかり知恵がついたな」

八「へへ、それほどでも」

隠「マントと違い帽子にはボタンもないし、鍔があって風当たりが強い」

八「帽子はどこかへ吹っ飛んだ!ボウシ対策がなってない。それとも帽子だけにシャッポを脱いだか」

隠「座布団一枚!お話、お話。それも西洋の古いイソップのお話。北風、太陽、どっちが正しいなんてことはないという説話だよ」

八「するってぇと、またぞろヤバッチクなるって言うんで?」

隠「どうかなぁ?なんせあの国は北だし元祖のイルソンさんは人民の太陽と崇められている。北風も太陽もあるから、どちらが勝っても自分の勝ちだ」

八「トランプさんには勝ち目なしですか?」

隠「自分は強いと思い込んでるから、そうはいかない」

八「ドンパチですか?」

隠「どうかなぁ。北風と太陽の話にはまだ続きがある」

八「へぇ。続きですか?」

隠「そう。隠蔽、紛失、ねつ造、忖度に損得。何でもありだ」

八「何ですか、それ?やけくそですか」

隠「うんにゃ。くそなんかじゃあない。しょんべんだ」

八「しょんべん?」

隠「そう。八っあん、これは米朝の話だ」

八「南北、六カ国などと言いますが、米朝で?」

隠「そう。北風に帽子を吹っ飛ばされた太陽は再々戦を申し入れた」

八「風の話で?」

隠「だから、続きがあると言っただろう」

八「・・・・へえ・・」

隠「マントと帽子で一勝一敗。今度はパンツで行こう」

八「パンツ?そりゃあずるいよ。裸にならなきゃパンツは脱げない。太陽が勝つに決まってる」

隠「そりゃあ太陽は考えたさ。謀略という奴だな」

八「北風は断ったでしょう」

隠「ううん。受けて立った」

八「無謀だ。ははぁん。帽子は吹っ飛ばされているからムボウなことを」

隠「そう。ムボウ息災といって、病気や怪我の心配がない」

八「それで勝負の方は?」

隠「太陽が照りつけると旅人は外套どころか、着ていたものを脱ぎ始め、パンツ一丁の姿になったナ」

八「そらみろ、太陽の勝ちだ」

隠「なんで?パンツ一丁になったが、脱いだわけじゃあない」

八「恥ずかしがり屋なんだ」

隠「それなりの節度を持っているんだよ」

八「それにしちゃあ、お互い酷い言葉で罵り合っているヨ」

隠「今度は北風の番だ。旅人は驚き慌てて持っているものを着こんだ」

八「パンツは無事だナ」

隠「気温変動に旅人はすっかりおかしくなってしまった」

八「弱っちまったんだ」

隠「自律神経失調症になっちまったのか、寒さで震え上がったのか、気分悪そうにモソモソし始めた」

八「・・・?・・?」

隠「お漏らしした」

八「漏らした?それで、パンツを履き替えるために脱いだって言うんで?」

隠「お見事!八っあん」

八「それで北風の勝ちだってことですかい?ひでえ話だ」

隠「まあな。でも、その後パンツを日に干していたから、太陽の勝ちかな?・」

八「どちらにしてもウソっぽい」

隠「すまん、すまん。ウソじゃあない、クソだ」

八「パンツがらみで、今度はクソなの?さっきやけくそかと聞いたら、しょんべんだって言ったじゃあないか」

隠「米朝会談をするに当り、金がないので誰か出してくれって言ってるらしい」

八「悪い冗談だ。いくら貧乏していても、そんなことよく言えたもので」

隠「昔、ザレ歌があった。台詞を覚えている」

八「昔?」

隠「ソウ・・・・。カネがないので・・・手で拭いて・・」

八「ウン?カミがないので手で拭いて・・じゃあ?ミッチャンミチミチ・で」

隠「・・・・もったいないので嘗めちゃった」

八「嘗めちゃった!少し世間、うんにゃ世界を嘗めていませんか。馬鹿馬鹿しい。話はそれでおしまいで?」

隠「うんにゃ、まだ話は続くよ」

八「どういう具合に?終わりなき世の目出度さだ。聞こうじゃぁないか」

隠「米朝のことだ。なくなった米朝」

八「うん?やるって言ってるんじゃあ。なくなってなんかいませんよ。それでミチミチウンコ・・やるんでしょう?」

隠「やる?何を?米朝と言えば、わしにすれば桂米朝だよ。米朝の十八番ははてなの茶碗だ」

八「うん?隠居の言う米朝は、亡くなったあの方で?」

隠「・・まあな。通称茶金という目利きが安茶碗をしげしげと見ていたナ」

八「はてなの茶碗!知ってます!その茶碗に値がついたが、安物の欠け茶碗とばれた。でも、話が面白いってんで殿様が箱書きをして、更に値がついた」

隠「よく知っているじゃぁないか」

八「それで?」

隠「こちらの米朝も、茶碗から水漏れするんじゃぁってんで、見守っている」

八「その通り」

隠「そこで、東洋平和のためならばと、我が国が名品と箱書きをすることとなった」

八「うん?何ですって?箱書きを?!ウソだろう」

隠「ソウ・・・・。ウソ」

八「ウソなの?一体どっちなんで?」

隠「なんせ我が国は蚊帳の外だから、わしにも一向に判らんのじゃ」

・・おあとがよろしくなりますように。テケテンテンテン・・・・。

20186

2018年5月6日日曜日

殴るな


殴るな


念仏を唱えて備える念のため

暴力反対平和を守れ



プラットホームから人が落ちた。それを見た勇敢な男が一人線路上へ飛び降りてその人を救出しようとした。もう一人の男が二人にホームから手を差し伸べ無事に引きあげることが出来た。ホッと温かい雰囲気になった瞬間、ホームから手を差し伸べた男がその脇にいたもう一人の男に殴りかかった。転落事故を知った駅員が駆けつけ殴りかかった男を羽交い締めににし、押しとどめた。殴りかかった男を問いただして、事情が判明した。殴られそうになった男がことのいきさつをスマホで写していたのだ。どうやら最近はやりのインスタ映えのする映像を、ここぞとばかりに撮っていたらしかった。

人が災難に遭っている。それを助けようとしている人がいる。手伝おうとしている人がいる。それを興味本位で撮影している男がいる。記事では殴ろうとしたとなっているが、殴ったと読める書き方だった。救助活動を手伝った男が、平然と自分の興味本位の行動をしている奴に殴りかかった次第だ。

これは最近みた新聞記事の概要です。読み飛ばさずに念を入れて読みました。

ホームに落ちた人。・・・身体的不具合も考えられます。同情の気持ちもあります。私なども何時目眩などで身体の不具合が生じてフラフラとなるかもしれません。線路に落ちない距離を保持するぐらいのことは心がけています。

救助のために線路上に降りた人。・・・その勇気、義侠心に最大の敬意を払います。残念ながら真似は絶対に出来ません。電車が来ないことを確認しても、飛び降りることだけで自分が怪我をする確率が高く、かえって余計な労力、迷惑を周囲にかけてしまいます。

手を差し伸べ、写真を撮っていた男に殴りかかった男は如何でしょうか。・・・ぶん殴ろうとした男に思う存分殴らせてやるべきだったと思います。ぶん殴ろうとした心情には強い共感を覚えます。当人は傷害罪に問われるかもしれません。水をかけた程度で、逮捕状が請求される国もあるようですから、殴ったりすれば、逮捕拘留され、刑罰を受けるのは文明国では当たり前と言われそうです。もし、有期刑になった場合は代ることは出来ませんが、罰金なら、手の届く額であれば、肩代わりの申し出くらいはしたいものだと思います。・・思うだけだと訂正します。

写真を撮っていた男は、やらしていただけるならぶん殴りたいと思いますが、勇気がありませんから、「あほ、馬鹿、たわけ。お前は人間の屑だ!!」と罵らせて下さい。これなら出来ます。これだと、今はやりのパワハラ相当ですか。

かなり殴った方に肩入れしています。多分多くの方は、写真撮りも怪しからんが暴力はもっと悪いと評されます。少しでも殴りに肩入れしようものなら、暴力肯定の馬鹿野郎として世間の糾弾を受けることでしょう。原理に従うのが差し障りのないところです。幸い、辞めろと言われる地位も馬鹿野郎といわれて傷つく誇りもありません。

プラットホーム事故と同じく、命に関わることと、当事者以外にはどうでもいいような仕来りとの比較が出来ていない事件がありました。大相撲巡業での土俵への女性拒否騒動です。人生経験の浅い若い行司さんがやらかしました。

女性を土俵上にあげない。大相撲の伝統だそうです。他にもいくつか伝統、仕来りがあります。上下の関係です。一枚違えば家来も同然です。その伝統を踏まえて、ぶん殴り事件が続きました。

江戸では火事喧嘩伊勢屋稲荷に犬の糞といわれ、喧嘩が名物の一つとなるくらい多かったそうです。しかし、喧嘩に際して不意打ちはいけない、首から上は攻撃しないという不文律があったとされています。大けが予防対策です。守らない奴は野暮とされ、江戸っ子の風上にもおけない奴と軽蔑されたようです。

お相撲は若い衆の集団です。ぶん殴らないと言うことを訊かない奴、ぶん殴りたくなる乱暴な奴がいても不思議ではありません。親方も年寄りと呼ばれていますが、血の気の多さは完全に維持しているでしょう。殴る箇所を限定してはどうですか。尻ならかなりぶん殴られても大丈夫です。殴る方も平手限定にします。鞭やスマホはいけません。ガス抜きという言葉があります。完全、完璧などを要求するのは、要求する方は簡単ですが、やり抜く方は疲れ傷つきます。この位のことは暴力ではないと不文律でも何でも認めたら如何なものでしょうか。江戸の伝統を生かす。賛成少数で否決ですか。

世間には若い行司さん並みの評価をしたくなる偉い方々がいます。セクハラには縁遠いと言われた野党の方々です。セクハラには縁遠いというのは、セクハラなどと言う下品なことはやらない、上品な方々を指していった言葉です。セクハラなど受けたくても受けられない程に不細工だとか魅力が無いという人、とりわけ女性の方を指しているという説がありますが、言われた方の解釈の問題です。どちらにしろ自覚症状がおありなんでしょうか。そんなことはさて置いて、野党の振る舞いが未熟な行司さん並みだと言いたいのです。

野党の方々は、G20へ経産大臣が行き、防衛大臣が日米防衛大臣会議への出席することに議会で反対しました。自分たちも委員会への出席を拒んでいますから、首尾一貫しているとも言えます。それぞれの省庁が無いと言っていた書類が見つかりました。ゆゆしき問題です。あるものを無いと言っていた可能性は否定できません。隠していた疑いは濃厚です。けしからん話です。集団惚け症候群が霞ヶ関界隈に流行っているのかもしれません。ここに働いている官僚は日本ではとりわけ頭のいい人の集団ですから、惚けるようなことはないでしょう。オウムの撒いたサリンが残留していて、神経が冒されているのだと推測します。頭の一つぐらいはドヤシてやらないと治らないのではと思います。

いい加減な説はさておいて、野党です。野党は日本の大臣の仕事というのは、お役人の隠していたことの後始末の方が重要で、世界の変化、変動に対処することへの優先順位は低いという主張を、国権の最高機関でしています。馬鹿~丸出し。そう見えます。不思議なことにこちら側の人達は叩かれることは滅多にありません。僭越ながら、少し叩かせてもらいます。

今の世の中、人の落ち度を何とか自分の点数にしようという人が大勢います。それも世間的にはそれなりに地位のある方々です。これらの人々の物言いの多くは原理主義的物言いです。土俵降りろ騒動は、女性差別と命という大切なことが軽んじられたのですから、美味しいネタでした。暴力はいけない、争いはいけない。女性差別はいけない。正義感あふれる物言いをすればいいのですから、楽なものです。人を叩いて稼ぎにする。命や女性問題などほとんど無頓着な私などでも、この程度のことは言えるよと思われる物言いで稼げます。

しかし最高機関の方々はその上手をいっています。ジャーナリズムは人の落ち度を探して、原理との比較検討をした上で書いています。場合によっては訴えられる可能性もあり、それなりの裏付けと覚悟は持っているはずです。最高機関の人達は、そのネタをパクっているだけのようにみえます。安上がりです。不利になったら、ジャーナリズムの精にしての逃げ道も作ってあります。腹が立ちます。程度としては写真男に殴りかかった男と同程度です。殴りたい気持ちを抑えて、忸怩たるものはありますが、評論的に叩きます。恥ずかしい限りです。

何が気に入らないかと言って、あのしたり顔が不愉快です。ぶん殴ってやりたい気分になります。もちろん顔はいけません。拙いです。顔が拙いのではなく、殴るのが拙いのです。殴るのは顔ではなくお尻にします。それもぶん殴るのでは無く、撫でる程度にします。お尻を叩くならともかく、撫でるなどはセクハラ騒ぎになりますか。誰を撫でるのかです。セクハラからは遠藤さんです。エンドウイさんです。判りません?判らなくてもかまいません。ツジツマがモトモト合わない話です。一体誰じゃ?駄洒落です。

はしかが流行っているようです。予防接種が必要です。年寄りには無用かもしれませんが、念のためと言うこともあります。

予防です。セクハラ反対。暴力反対です。ナンマイダー。





それでは小噺を一つ



殴るな



FNNニュースにトランプのツイッターが掲載された。その記事を紹介する。



・・・先日、ある男と昼食をとった。化学兵器についての彼の言い草が酷かったので、つい拳を振り上げてしまった。シークレットサービスがすぐに二人の間に割って入ってきた。秘書官が、いけません暴力はと言った。私は反省し、諭してくれたシークレットサービスと秘書官に詫び、お礼を言った。

後日、彼の化学兵器設備を狙って100発程のミサイルを撃ち込んで偉大な成果を上げた。いつも言っている。私の机上にはあらゆる手段が整えてある。だが、暴力だけはいけないことだと反省し、ぶん殴ることは除外している。・・・・



ム責任者注記:

上記を配信したFNNとはFake News Networkという通信社である。トランプが攻撃をした国の名前は書かれているが、「シリア」か「コリア」かが判読出来なかった。その部分は隠蔽、改竄をした。責任をとる。

201856 ム)