はじめに

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2014年4月6日日曜日

ウクライナ


ウクライナ

きちんとプーチンまあまあオバマあめーかヤベーか日は昇る

 

お久しぶりです。ご無沙汰いたしておりました。アルカイナです。お忘れで?フルネームはソン・ナコト・アルカイナです。

この度は真に見事でした。プーチンによるクリミア半島の奪取です。

ウクライナで起きていることが遠く極東に住む方々にはお判りにくかったことと思います。とくに、大統領であるヤヌコーヴィッチが国外逃亡をしたことは何のことやらの思いだったでしょう。逃亡時の昼夜は判りませんが、やり口は夜逃げでした。

ここに至るまで、少し時間がかかりました。もう十年以上前になりますが、作戦の端緒とも言えることが表に出てしまいました。ユルチェンコのことです。彼がウクライナ大統領選の時、急遽病院に運ばれ、暫くして世間に出した顔はブツブツ、デコボコの酷いものになっていました。一服盛られたのですが、運好く一命を取り留めました。ここら辺りが序奏でした。

この度夜逃げをした大統領の名前はヤヌコーヴィッチと申します。ユルチェンコの次の次の大統領です。大統領だとか国家元首だとか言ってもいろいろあって、暴力的に独裁をしいている場合は、時によっては殺されてしまうこともあります。情勢がおかしくなって、逃げ出すというのは少なくありません。ところが、ヤヌコーヴィッチの場合、選挙で選ばれております。選挙に不正があったという主張が無い訳ではありません。あったという方が正解です。とは言え、形式的には民主的な選挙が行われました。それも、本番で勝負がつかずに、決勝戦までもつれるという熱戦の末の勝利を得ております。不正と言いますか、違反と言いますか、ある程度のことは何処の国でも、どんな選挙でもあります。この時も、買収、恐喝など言う単語は出てきましたが、まぁ好いんじゃあございませんかぐらいの品性と民主的手続きは保たれていました。ヤヌコーヴィッチは大統領になりました。

彼が大統領となって仮調印していたEUとの協定を本調印の段になって止めました。ロシアは堂々と圧力をかけました。圧力といってもいろいろあります。火の海にするゾなどと脅した訳ではありません。天然瓦斯の値段をお安くいたします。高額な資金援助をしますし、お貸しもいたします。おいしい話ばかりです。当然EUとの協定に国の発展をかけるか、ロシアの後ろ盾を梃子にするかを選ばなくてはなりません。それが政治というものです。ヤヌコーヴィッチは予定通り、ロシアの経済提案に乗る形でEUを袖にすることにしました。勿論、急に言い出したことではなく、露色が付いていることは、国民の多くが知っていることではありました。気に入らない人たちがデモを起こしました。デモが騒乱に至り何人かの死者が出ました。デモはとにかく、国家としては騒乱を鎮静化させなければなりません。必要ならば、実力排除を行うのが普通です。争点は生き死にの問題ではありません。人権侵害でもありません。経済の問題です。話し合いでいけるのではないでしょうか。皆さんにはそれほど関係の濃い国ではないので横目でご覧になっていたことと思います。その間の展開すらどうだったのか詳しくは知らなかったでしょうし、何か騒がしそうだなと思っていただけでしょう。突然大統領が行方不明になってしまい、何じゃこれはと思われたでしょう。ヤヌコーヴィッチ大統領は夜逃げをしました。

なにがしかの狂信的勢力、ないしは思い込みの激しい個人、思想的に過激な人が命を狙うことはあるでしょう。でも、国民に選ばれた国家指導者が対立する政治勢力に殺されることは考えにくいことです。ウクライナのこの場合、反政府活動を指揮指導している人たちは、ヤヌコーヴィッチの命を狙ってはいません。ヤヌコーヴィッチ自身、政敵であったティモシェンコを牢獄へ送っています。そうです。ティモシェンコというのは大統領にしておくのは勿体ないような別嬪さんです。その別嬪さんを苛めたのですから、殺されないまでも、牢屋にぶち込まれる心配はあったかもしれません。しかし逃げだしました。デモで何人かの死者が出たとはいえ、その運動が彼をそこまで追いつめてはいませんでした。彼は唐突に逃げ出しました。

ご紹介させていただきます。作詞作曲家の先生です。ゴーストライターなどではありません。確かな視力、聴力を持った立派な実力派のロシア人作家です。プーチンです。ユルチェンコの顔をつぶしたのを手始めに、この度はクリミア併合まで読み筋通りに展開させ、念願の半島支配を成功させました。当然、EU,アメリカなどは反応をしました。経済制裁という名のお仕置きでお茶を濁すのが関の山だと、彼はそれを見越した上のことです。いわゆる想定内というやつです。

ウクライナはEUに入ろうとしていました。それもEUの謀略によって、目立たぬように、大義名分を整えながらのことです。最近では、武力が衰えた西欧諸国は知略を駆使して利益を図っています。ロシアとしてもそれに知略、謀略で当たらないと頭が悪いと馬鹿にされてしまいますし、時流に乗り遅れます。

ウクライナに多額の支援援助を提示して、ロシアに振り向かせました。勿論、国に対してだけではありません。指導者の中で適切な者を選びました。その中の一人、ヤヌコーヴィッチにも渡すべきものを渡しました。ヤヌコーヴィッチの大統領としての年収は10万ドルでした。日本円で1000万円ポッキリです。これまでに勤め上げた大統領職は4年ほどです。爪に火を灯して全部貯めても4千万円が理論的限度です。何かに投資するなどして運用しても、おいしい投資先はありません。その人が私設の動物園、ゴルフコース、絢爛豪華な遊覧船を持っていました。船の中のシャンデリアだけでも億円単位のお宝です。お判りでしょう。送り主がいました。当然この度の仕掛け人がケツ持ち、スポンサーです。

ヤヌコーヴィッチはその莫大な資産を放棄してまで国外逃亡をしました。命あっての物種です。お前、逃げ出さないと吊るされるぞ。動物園やゴルフ場がばれて、国民にやられるぞとケツ持ちに脅されました。逃げておいで。逃げてこい。逃げてこないと危ないぞと脅したのは作曲家の方です。ロシアで大統領であること、その正当性を主張しなさい。大統領ですら怖くなるほどに、ウクライナのロシア系国民は、とりわけクリミアの人達は命の危険にさらされていますゾ。ウクライナは正当性のない政府によって支配されています。そういう雰囲気を醸成し、クリミア半島の住人を立ちあがらせたのです。時は今です。俺たちはロシアへ入りたい。国民投票から併合までの時間は短い方がいい。長ければチョッカイが入る。早ければ早いほど仕掛け人を非難する勢力は打つ手を見いだせない。これで一件落着です。

今世界中の政治家で、国民のためにそれらしき政治を行っている筆頭はプーチンですよ。国民の支持率を観てごらんなさい。そりゃ、国によっては支持率100%の指導者もいます。でも、100%の支持を与えた人民がその国から脱出を図っています。ロシアでは脱露者という言葉はありません。国外に資産を移し、子弟を住まわせるなどの対策者もいません。何人かの政敵は一服盛られたり、不遇な待遇を受けたりはしています。時としてKGBの血が騒ぐことはあります。しかしながら、しかしながらですよ、多数の国民はあの寒い国土で凍え死にしたり、飢え死にしたりしているという話は無いでしょう。呼吸器系を患う子供や、村中がん患者に満ち満ちているということもありません。多くの国民がそれなりに幸福感を持っています。そしてこの度は、要所の艦隊基地を揺るぎなきものとし、そこに住む人の多くの支持を取り付けた上に、全国民から大きな評価を受けています。プーチンは世界的レベルの指導者の中では一番の知力と胆力、実行力を持ち、成果も上げました。

この度のことだけの評価ではありません。

 軍拡競争に力負けし、崩壊したソヴィエト連邦。疲弊したロシアを支配したのは酔っぱらいでした。その酔っ払い、エリチンを追い落とし、ロシアの再生を図ったのがプーチンです。ソ連崩壊時にはロシアは貧乏のどん底でした。国はどん底、指導者は酔っぱらい。プーチンはまだKGBの面構えを残していて、怖い顔をしていましたから、少し脅かし睨んだだけで、酔っぱらいは身を引きました。プーチンは救世主になりました。彼がトップになってから、ロシアはゆっくりですが、豊かになってきました。ロシアというのはもともと貴族と農奴の国です。今は貴族と国民の国になっています。人民などという、訳のわからない人々はいなくなりました。農奴と人民を国民にしました。

今、プーチンに対比されるべきはオバマ大統領ですネ。オバマはプーチンと対極にあります。内政的には保険制度でつまずき、予算すら実行できない状態に追い込まれたりしました。外交ではシリア、アフガニスタン、北。何もかもやれません。やるふりをしては見せますが、結局は何もしません。彼は就任以来何ができましたか。なにも出来ていません。世界の核を減らすとか云ってノーベル賞をもらっただけです。オレオレ詐欺みたいなもので、賞金だけが手元に残っているだけです。“YesWe can”などは世界中の人が忘れてしまっています。この度も、ことが大方片付いた頃にプーチンに電話を入れました。直接聞いてはいませんがプーチンはオバマに言ったでしょう。「それがどうした、クソダワケ!」

G8-1=G7の算数などは小学生並です。小学生や私よりできるのは英語位なものです。話しだけ、マア上手に語り、何もできません。アメリカの噺家というべき方です。

悪口、告げ口の類はいけません。反省して、話題を元に戻します。

クリミア共和国の国民投票は実に素早く、素晴らしい結果を得ました。ロシア人の多さと、投票箱の中が透けて見えることから、結果は予測できたことだなどと仰らないでください。選挙とか投票は一般的には一月以上の準備時間が必要です。周知徹底と選挙人名簿の作成、会場の設営。あれだけ短時間でやれると思いますか。前もって仕掛がしてないと無理です。綿密に計画と根回しが行われて、今日を迎えたのです。

もうヤヌコーヴィッチの名前は忘れられつつあります。アクショーノフ。この人はクリミア共和国首相です。クリミアの人々が立ちあがったのは、自発的だった訳ではありません。根回しが終わっていて、そこに配されていたアクショーノフが動いたのです。世界のマスコミや人々が、ソチオリンピックに目を奪われ、ソトニコワとキムヨナの勝ち負けで未だに血が頭に上っている人もいます。お忘れですか。プーチンがソチで一番力を入れていたのは、ソトニコワを勝たせることではありません。テロ騒ぎを起こすことです。もともと、テロの計画なんぞはありませんでした。テロはいけません。起きるゾ、やるゾ。テロ騒ぎです。テロとの戦いです。テロ対策で、ソチ近辺に膨大な警察、軍隊、そしてKGB。彼らを公然と集結させました。ソチからクリミアへの移動は簡単です。自警団の準備をテロ組織の探索を装ってすませてしまいました。オリンピックの閉会式はクリミアでの活動の開会式です。プーチンの合図を見て、アクショーノフは次のステップに進んだのです。一発の銃弾も使っていません。見事です。これからはアクショーノフが現場責任者です。公務員の給与と年金を二倍にします。

プーチンにウクライナ本体はどうするつもりなのか、訊いてみました。

「これでクギリヤ」

・・・? クリミアのつもりのようです。プーチンの駄洒落は下手です。そりぁ、当然です。彼は噺家ではなく、政治家です。

日本の総理大臣にも、このあたりの事を軽くお伝えしておきました。上手に立ち廻ろうとしているでしょう。好いことです。

私はアルカイナ。喋ったことがバレルと拙いので、暫く身を隠します。またお会いしましょう。サイナラ。

 

では小噺を一つ。

 

法治国家

 

日米韓の首脳会談が行われた。日韓の間を心配した米オバマ大統領が両者に話し合いを要請した。

オ「朴大統領、反日的言動を少し控えたら如何ですか」

朴「親日的行動をした者は財産を没収するという法律を作りました。自分で作って自分で破るようなことはできません」

オ「安倍総理大臣、靖国に行かないで韓国に行ったらいかがですか。扉を開けて待っているだけでなく、行動をすべきでしょう」

安「とてもとても。わが国にはストーカー規制法があります。嫌がる人に付きまとうなど、出来ることではありません」

(2014.4)