はじめに

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2017年6月6日火曜日

やれ撃つな

やれ撃つな

やれ撃つな灰が地に満つあぁ死も招く

「安保理は、正義によってではなく拒否権を持つ常任理事国の利害関係に基づいて『国際平和と安全の問題』が決定される場所だ」『茶番劇だ』
これは北の外務省報道官が、北への制裁決議に関連して述べた言葉です。言い方のきつさを別にすれば、内容としては正論だと思います。賛成です。彼らの立場を考えれば、当然のことを言ったにすぎないと思います。
彼らは今現在、国連軍と休戦をしている状態だと認識しております。その戦相手の言い分、行動に賛同する必然性はありません。
その昔、朝鮮半島で戦争がありました。今とは少し名前が違いますが国連軍と北鮮軍との闘いです。記憶を呼び覚ますために、当時使っていた呼称をそのままに使います。
私が小学6年生の年でした。私がその戦争の知識、情報は主として新聞からのものでした。毎日のように朝鮮半島の地図に彼我の支配地域が表示されていました。私達は戦後教育をたっぷり受け、平和国家の児童として育っていました。戦争はいけない。それだけではありません。戦争をやった日本は悪い国だった。だったです。過去形ではありました。そして、あの戦争を終わらせたのは偉大なる国家アメリカです。正義の国です。そこから進駐してきたアメリカ軍の最高司令官マッカーサー元帥は偉い人です。正義の人です。そのマッカーサーが朝鮮半島で戦っているのです。よってもって、彼我の彼は北鮮軍であり我は国連軍、マッカーサーです。相手は金日成です。当時はキンニッセイと発音しました。キンニッセイの北鮮軍です。対する国連軍が助けているのは韓国で、リショウバン大統領という人がリーダーでした。当時の韓国はかなり開発が遅れていて、工業生産などは北鮮とはかなり差があったようです。それもあってか、忽ちにして韓国はケイジョウを陥され、リショウバンはとるものも取りあえずの風情で、南へ逃れました。とるものの中には多くの韓国人がいました。取り残され、犠牲者が多く出たということです。韓国軍、国連軍はたちまちにして半島の先端に追い詰められ、辛うじてフザン近辺で持ちこたえることとなりました。
大きい声では言えませんが、戦争ごっこをやりました。平和国家の児童生徒です。戦争はいけません。それにも拘らず戦争ごっこをやったのです。平和が身にしみていたのではなく、マッカーサーの偉さだけが実となっていたきらいがあります。マッカーサー側が正義です。ガキども数人が国連軍となり、それぞれの飼い犬数匹を敵である北鮮軍に見立てて戦うというものでした。暗闇の畑に犬達を遠く追い立てておきました。お盆の迎え火に使う細い松明に火をともして、そろそろと進みました。突然、犬が野菜の間から現れました。その現れ方が予期できないほど急でした。全員びっくり仰天、バラバラに敗走してしまいました。この時、チビってしまった奴がいました。国連軍は負けてしまうんだ。否、マッカーサーはそんなもんじゃあ負けない。そう主張する奴もいました。ガキの頃からこういった予測、評論を得意とする奴がいたのです。彼の主張は当たりました。マッカーサーはジンセンに上陸し、北鮮軍の補給路を断ち一気呵成に38度線を越え、ヘイジョウを陥し鴨緑江に迫りました。それ見ろ、マッカーサーは強いだろう。本当だ。マッカーサーは強いんだ。マッカーサーが勝って、ほっとしました。ところが安堵も束の間、中共軍が鴨緑江を越えてきました。国連軍は半島の真ん中辺りまで押し戻されました。中共軍といってはいけない。義勇軍と言え。中共を守るため、国連軍の鴨緑江越えを許してはいけない。北鮮、キンニッセイを助けなければと、義勇軍の出動を毛沢東は命じました。国連軍と称しているがアメリカ軍だ。中共軍と直接対峙させては、戦線が拡大し国内まで侵攻される。流石は毛沢東。義勇軍と名付け参戦しました。私は直接関わっていませんとお知らせをし、半島内限定戦争を標榜したのです。とはいえ、数多くの犠牲者を出したようです。人的損失を出した毛沢東の戦術にケチをつけた輩もいました。中共軍はなぜアメリカ、国連軍と戦うのか。武器を捨て、否、武器を持たずに兵を進め、どんどん降参させるべきだ。毛沢東の持つ兵の何%かを次から次へと降参させれば、絶対にアメリカはネをあげる。兵でなくてもいい。そのための人民は無限に近く供給できる。勘弁してよ。止めようよ。実は、これは休戦後に聞いたお噺ですが、優れた戦術だと感心したものです。今現在、降参ではなく、イケシャーシャーと世界各地に人間を進ませているのは、この時の反省かもしれません。
ソ連との取引、国連決議、半島統一、原爆使用、マッカーサー解任。いろいろな単語が浮かびます。結果として、停戦ラインと非武装地帯を設けて休戦し、現在にいたっています。皆さんはもっと詳しくご存知とは思いますが、私の朝鮮戦争知識はこんなところです。脳内にとどめている単語を使わないと、思い出せません。古い呼び方を使いました。知らぬ間に朝鮮半島に係わる言葉の発音が変わってしまいました。年齢によっては通じないかもしれませんが、お許しください。
ここからは、現代語で述べることが出来ます。
今は休戦状態です。対峙しているのは北朝鮮と韓国です。加えて韓国には国連軍の残滓である米軍が駐留しています。両軍の指揮権はアメリカが持っているようです。
出だしの「安保理は・・・・」ですが、北が何を議決されようと、言われようと従わないのは当然です。彼らの対戦相手は、実質は抜きにして、国連軍です。敵が武器を捨てろと言っています。休戦している相手の言うことが自分の利益になれば聞きいれるでしょうが、そうでなければ、せせら笑って当然です。
国連発足以降、アメリカはベトナムをはじめ多くの国で戦争をしました。ロシア、中国、イギリスもやっています。逆に、やってないと思われる国は日本、ドイツ、イタリアなどです。枢軸国はおとなしくしています。当然です。敗戦国です。「旧敵国との紛争について、平和的に解決する義務すら負わない」という敵国条項が国連憲章にはあります。敵国であった国と揉め事があったら、話し合いなどは無用だ、気に入らなければぶん殴ってでも、ぶっ殺しても、やっつけて好いのです。旧敵国という国の定義は無いようです。日独伊は間違いなく該当国でしょう。日本政府を対米追従外交などと、エライ評論家の先生や野党が政府を追及する時によく使います。日本がアメリカと揉めたら、平和的解決に依らなくっても一向に構いませんとアメリカは国連に認められています。恐ろしくて逆らうことなんぞできません。対米追従は当然です。追従したくなかったら、どうするかです。日本国憲法を改正しても無理です。戦後日本が平和を維持できているのは、憲法9条があるゆえだ。間違いです。国連憲章の敵国条項があるから、少しでもおかしなことをするとぶっ殺されても文句は言えないのです。いつもニコニコ、いつもハイハイ。世界の主流に逆らわない、従順さが日本平和の根源です。
アメリカは北が懸命に努力しても絶対に及ばないミサイルと原爆を数え切れないほど持っています。少し救われるのは、ロシアと中国がこのルールから外れていると思われることです。ロシアはソ連、中国は中華民国から、安保理の常任理事国を継承しているようです。どういう手続きでそうなったのか、私には理解しがたいことですが、彼らは拒否権を持っています。安保理の常任理事国の立場は継承したかもしれませんが、枢軸国を敵としていた権利などは、その当事者ではないから相続していないと思います。だからいきなり私たち日本人をぶん殴ることはできないのだと思います。私の勝手な、楽観的な解釈です。
北に戻します。
北は国連軍と戦い休戦しております。国連の敵です。
「旧敵国との紛争について、平和的に解決する義務すら負わない」
北は旧敵国で、敵国条項の適用を受けるのではありませんか。休戦は一時的な撃ち方止めです。いつ何時、自分が、または相手が休戦を放棄しないとも限りません。彼らの隣には。休戦条約どころか相互不可侵条約を放棄して侵攻したお手本となる国があります。正しい歴史認識を持てば、当然対処策を日々造り出しておかなければいけません。北は国としては貧乏です。長期戦は無理です。寄らば切るゾの姿勢をとる必要があります。原爆とミサイル。やってこようものなら一太刀たりともの姿勢です。アメリカにやられる前にやっつけるなどとは言っていません。アメリカがやってくるならやってこい。来たら眼に物見せてやろうではないか。そう言っています。専守防衛です。少し無理かなぁという気がしないでもありません。専守防衛のため原爆とミサイル保有が認められるなら、日本もいいじゃあないかとなりかねません。
休戦が破られた場合に備えることは北の権利だと思えます。少し余計なお節介かもしれませんが、使うのは休戦協定に至った範囲に限定してください。休戦で対峙しているのは朝鮮戦争です。それを考えると、原爆&ミサイルは過剰装備のように思えます。通常兵器ではせせら笑われる程度しか常備出来ないという判断があるのでしょう。それにしても、かなりのお金をどうしているのでしょうか。もっと北の国から資金と技術が提供されているという説があります。もしかしたら、委託研究、実験をやっているのかもしれません。
どうやって工面しているのか判りませんが、北としては通常兵器より効果的な物に違いありません。
さて、これらが過剰か否かの判断は私には出来ないので、北の主張を仮に認めるとします。認めたとして、相手の韓国&アメリカ側です。こちらも毎年軍事訓練を一緒にやっています。休戦が破られることに備えて訓練を行うのは、これまた当然です。このところ、相手のミサイルや原爆のテスト頻度が増してきています。質的向上もかなりな様子です。それに備えて、カール、ロナルドまでもお出ましして、戦力バランスを崩さないようにしています。少しいいのかなぁと思われる程度にまで、刺激的になっています。あらゆる手段をとる用意があるとトランプさんは言っています。しかしながら、というか救いはあります。アメリカも、朝鮮半島の辺りで、ゴチャゴチャやれる程度なら好いけれど、俺ンチまでやれるのは駄目だ。そうなったら、やっつけるぞ。アメリカファーストの専守防衛です。韓国や日本がやられる程度のものなら、好いヨの構えです。少し違うのは、北は「やられたらやる」に対してアメリカは「お前がやる準備を整えたらやる」でトリガーとなる条件が一緒ではありません。
北と米がドンパチとなると私達もトバッチリ必至です。やれ撃つなです。トランプさんは情緒不安定な感があるので少しヤバイ感じはします。正恩さんもかなり気が短かそうですし、自分は別にして他人の命にはそれほど気を使いそうもありません。
平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」
私達の持つ憲法は安全と生存を諸国民の手にゆだねています。祈ることしかできません。
正恩さん側は専守防衛気味ですが、トランプさんはあらゆる手を使うと言っています。どちらかと言えば先に手出ししそうなのは米の方です。
そういうことにならない期待感はあります。米が北に手を出せないのは背後に中国があるからという人もいます。そこも拠り所ですが、米は重大な欠陥をもっています。
国連発足後、安保理常任理事国は戦を止めるよりやる方に傾いています。中国はインドと引き分けた以外は勝って、着々と領土を広げています。ロシアは負け戦が多かったのですが、ウクライナでは巧くやりました。イギリスもアルゼンチン沖で1勝しています。一番数多くやったのが米です。世界各地で戦いをしました。しかし、一度も勝っていません。一番いい結果が朝鮮戦争の引き分けです。負けず嫌いで、損得勘定に長けたトランプさんが負け戦をやるとは思えません。唯一引き分けの朝鮮戦争。負けなかった証をそっととっておきたい気持ちがあるのではと期待します。
期待したい拠り所があります。アメリカ人の半数は北朝鮮がどこにあるのか地図上で示すことが出来ないそうです。もしかしたら、トランプさんも。何処へ向かって撃てばいいか判らないのではとの思いがあります。
一番期待すべき事があります。
トランプさんが大金持ちです。対する正恩さんも大金持ちです。なんせ、国家の稼ぎの大半が彼の太い腹に入っていると言われています。大金持ちです。そこに期待したいと思います。期待できると思います。昔から言うではありませんか。
「金持ち喧嘩せず」!!

それでは小噺を一つ。

ゴール!

正恩が大好きなサッカーを軍関係者と楽しんでいた。その日はなかなか得意のシュートが決まらず、いらついていた。
一人の将校が部下に耳打ちした。部下は将軍さまのシュートと同時にゴールに寄り添い、ボールの行方を見定めてポストの移動を行った。ボールは見事ネットを揺らし、ゴールした。
試合終了後、耳打ちをした将校は拘引され、炭鉱送りとなった。南傀儡共の文化に毒され、模倣したことが罪状であった。
(2017.6.6)